ダウ54ドル高、CPIの伸び鈍化期待が支え
【市況】ダウ54ドル高、CPIの伸び鈍化期待が支え |
13日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前週末比54ドル77セント(0.15%)高の3万4337ドル87セントと9月以来の高値で終えた。
米国のインフレに対する過度な警戒が和らぎ、株式相場の支えとなった。ただ、14日に10月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。
米金融政策の動向を左右するCPIの内容を見極めたいとの思惑から、積極的な売り買いは見送られた。
ニューヨーク連銀が13日公表した10月の消費者調査によれば、1年先の期待インフレ率は3.6%と9月(3.7%)から低下した。3年先は横ばいだったものの、5年先も2.7%と9月(2.8%)を下回った。インフレへの警戒が後退し、13日の米債券市場で長期金利は4.6%台前半と前週末終値(4.65%)を下回る場面があった。金利の低下を受け、ダウ平均は一時120ドルあまり上昇した。
15日の米中首脳会談に先立ち、中国が旅客機「737MAX(マックス)」の発注解禁を検討していると報じられた航空機のボーイングは4.0%高だった。
取引開始直後のダウ平均は下げる場面があった。直近の2週間で1900ドル近く上昇していたため、主力銘柄の一部に目先の利益を確定する売りが出やすかった。市場では「10月のCPIの発表を前に様子見の投資家が多い」との声が聞かれた。
米政府のつなぎ予算の期限が17日に迫っている。政府機関の一部閉鎖リスクも警戒されている。午後の取引でダウ平均は伸び悩んだ。
個別では、映画・娯楽のウォルト・ディズニーや建機のキャタピラー、小売りのウォルマートが上昇した。半面、スポーツ用品のナイキ、ホームセンターのホーム・デポが下げた。スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトも売られた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前週末比30.365ポイント(0.22%)安の1万3767.743で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが下げた。一方、電気自動車(EV)のテスラは4%高で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比105円安の3万2780円で引けた。
14日に10月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。積極的な買いは広がらず、ダウ平均の上値は限定的だった。
同日は日米株式相場の上値が重かった。
投資家が運用リスクを取る姿勢を弱め、シカゴ日経平均先物は売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
32780 ( +210 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32790 ( +220 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7425.83(+65.28)
13日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前週末に比べ65.28ポイント(0.88%)高の7425.83で終えた。13日のアジアの主要な株式市場が上昇したことなどが投資家心理を支えた。14日以降に英国と米国の物価統計の発表を控える。15日発表予定の10月の英消費者物価指数(CPI)はインフレ鈍化を示す内容になるとの予想が広がっているのも、株価の支えとなった。
FTSEの構成銘柄では、保有する生命保険事業の統合完了に伴い、2023年12月期通期に創出できる現金の見通しを引き上げた保険大手フェニックス・グループ・ホールディングスが5.67%高と急伸した。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは3.53%高、投資会社メルローズ・インダストリーズも2.99%高と買われた。一方、賭け屋大手エンテインは3.67%安、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは1.57%安、産金大手エンデバー・マイニングは1.51%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15345.00(+110.61)
13日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比110.61ポイント(0.72%)高の1万5345.00で終えた。13日のアジアの主要株式市場の上昇や米株式相場の底堅い推移を支えに、他の欧州の主要株式市場とともにドイツ株にも買いが優勢となった。セクター別ではエネルギーや工業、素材株などが上昇した。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.03%高、ヘルスケアのフレゼニウスが3.43%高、防衛大手ラインメタルが3.25%高だった。
半面、医療機器のザルトリウスは1.87%安、半導体大手イーオンは1.22%安、通販大手ザランドは1.17%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7087.06(+42.02)
フランスCAC40種指数は0.60%高だった。
インフレ緩和による米利上げ観測の後退に期待した買いも入った。