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NYダウ3日続落177ドル安、景気敏感株に売り
【市況】NYダウ3日続落177ドル安、景気敏感株に売り
 
15日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比177ドル26セント安の3万0814ドル26セントで終えた。バイデン次期大統領が14日夜に1.9兆ドル規模の追加経済対策案を発表した。期待先行で相場は上昇していただけに、景気敏感株を中心に出尽くし感に伴う利益確定売りが優勢だった。2020年12月の米小売売上高が市場予想を下回ったのも、相場の重荷だった。
 
朝方に2020年10〜12月期決算を発表したJPモルガン・チェースなどの大手金融3社が軒並み下落。貸倒引当金の戻し入れなどが寄与し、調整後1株当たり利益は市場予想を上回ったが、「中身を見ると、そこまで良い内容ではなかった」との指摘が聞かれ、売りが膨らんだ。
 
追加対策案を巡っては事前に2兆ドル規模になるとの観測報道もあり、サプライズ感は乏しかった。法案化を急ぐ構えだが、「トランプ米大統領の弾劾問題もあり、早期の成立が難しくなる可能性がある」との指摘があった。
 
大型の経済対策への期待から上昇していた景気敏感株に利益確定の売りが出た。化学のダウや石油のシェブロン、航空機のボーイングなどが下落。取引開始前に20年10〜12月期決算を発表したJPモルガン・チェースやシティグループ、ウェルズ・ファーゴなど金融株は軒並み下落した。
 
朝方発表された昨年12月の米小売売上高が前月比0.7%減と、横ばいを想定していた市場予想を下回ったことも嫌気された。米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンが、ベルギー工場の改修のために欧州やカナダで供給が遅れると伝わったことも株価を圧迫した。
新型コロナウイルスの感染拡大で消費者心理の冷え込みが鮮明となり、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや小売り最大手のウォルマートなどに売りが出た。
 
ダウ平均は午前中に370ドル強下げたが、午後に入り下げ幅を縮小した。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和政策は長期化するとの見方が根強く、下がった場面では押し目買いが入りやすい。
 
ナスダック総合株価指数も続落し、前日比114.136ポイント(0.9%)安の1万2998.502で終えた。スマートフォンのアップルと電気自動車のテスラが下落。インテルやアプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体関連株も下げが目立った。
 
 
 
N Yダウ工業株30種(ドル)
30,814.26−177.26
S&P500種
3,768.25−27.29
ナスダック
12,998.502−114.136
NY金(ドル/トロイオンス)
1,829.90−21.50
NY原油(ドル/バレル)
52.04−1.53
円・ドル
103.84 - 103.86−0.19
 
 


 

【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比530円安の2万8320円で引け、15日の大取終値を140円下回った。
12月の米小売売上高の悪化などを受け日経平均先物は米株とともに売られた。14日夜にバイデン次期大統領が1.9兆ドルの追加経済対策を発表し、材料出尽くし感からの売りも出た。
 
この日の3月物安値は2万8140円、高値は2万8895円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28320 ( -140 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て) 
28350 ( -110 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
15日のTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ66.25ポイント(1.0%)安の6735.71で引けた。構成銘柄の9割超が下落した。
バイデン次期米大統領が総額1.9兆ドル(約200兆円)の追加経済対策を発表した。しかし、これまでの期待感が一服し、株式相場は軟調となった。英国の昨年11月のGDP(国内総生産)が前月比2.6%減の大幅なマイナス成長となり、景気の二番底懸念も強まった。
 
新型コロナウイルスの影響で、世界景気の回復には時間がかかるとの見方から売りが優勢だった。午後に米株式相場が大幅に下落すると、英株市場も下げ幅を広げた。景気敏感株を中心に幅広い銘柄が売られた。
 
景気動向に左右されやすい石油株や鉱業株、銀行株が安かった。原油と銅相場の大幅下落も売り材料になった。
個別銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカン(5.3%安)を筆頭に、産銅大手アントファガスタ(3.7%安)、資源大手BHPビリトン(3.3%安)、同リオ・ティント(3.0%安)など資源株が軒並み売られた。ネット食品デリバリーのジャスト・イートの下げも目立った。
 
半面、産業用ソフトウェアのアヴィバグループは大幅に上昇した。大型契約の更新を受けて2020年10〜12月期が増収となり、通期の見通しにも自信を示したことが手掛かりになった。セキュリティー対策ソフト大手のアバストは連れ高した。医薬品株と公益株も堅調だった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に反落した。終値は前日と比べて200.97ポイント(1.4%)安の1万3787.73だった。
米株式相場の大幅下落を受けて、欧州各国の株式市場にもリスク回避の売りが加速した。
幅広い銘柄に売りが出た。
個別では。ドイツ銀行やアディダスの下げが目立った。日用品のバイヤースドルフと消費財のヘンケルの2銘柄が小幅高となった。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは前日と変わらずだった。



■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,611.69 -69.45