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25円高と反発、朝安後に押し目買いで切り返す
東京株式(前引け)=25円高と反発、朝安後に押し目買いで切り返す

 
2日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比25円66銭(0.07%)高の3万8299円71銭だった。
朝方は為替の急速な円高などを受けリスクオフの地合いだったが、その後は円安方向に押し戻されたことで過度な不安心理が後退し、日経平均も下げ渋る展開となった。前場取引終盤に一段と押し目買いの動きが活発化し下げ幅を縮小、前引け時点では小幅ながら上昇に転じている。半導体主力株の一角で買いが優勢となり全体相場を牽引、商社株や不動産株などにも買われる銘柄が多く市場センチメント改善につながった。
 
1日の米株式市場でナスダック総合株価指数、主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落した。米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が発表した4〜6月期の売上高見通しが慎重との見方も、米ハイテク株全体の重荷となった。東京市場でもアドテストやソフトバンクグループ(SBG)などに売りが波及した。
 
米連邦準備理事会(FRB)は1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。パウエル議長はFOMC後の記者会見で利上げの可能性は低いと強調し、市場では「予想されていたほどのタカ派寄りの姿勢ではない」との受け止めが広がり、株式相場の支えとなった。外国為替市場で円相場は前日比では急伸しているものの、朝方に比べるとやや円安・ドル高に振れていることも海外短期筋などの押し目買いが入った。
 
大型連休の谷間や、足元の為替動向が慌ただしいことなどから、日本株を積極的に売買する動きは引き続き手控えられている。引き続き日経平均やTOPIXは前日終値水準でのもみ合いとなり、決算発表銘柄に関心は集中しそうだ。後場は、13時に三菱商事、14時にリコーリースなどが決算を発表する予定だ。丸紅、住友商事も本日決算発表を予定しているため、前場同様、後場も商社株に関心が向かいそうだ。

 


 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは2.93ポイント(0.11%)高の2732.33だった。JPXプライム150指数は反発し、0.84ポイント(0.07%)高の1189.82で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆888億円、売買高は7億244万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は593、値下がりは982、横ばいは76だった。
 
業種別では、卸売業、電気・ガス業、不動産業、保険業、医薬品などが上昇した一方、海運業、銀行業、ガラス・土石製品、化学、空運業などが下落した。


個別ではレーザーテックが断トツの売買代金をこなし続伸、三菱商事、三井物産、住友商事など商社株も買われた。TOWAが物色人気となったほか、東京電力ホールディングス、関西電力も堅調。AOKIホールディングスが急騰、日本マイクロニクスも値を飛ばした。
 
半面、イビデンが大幅安、三井E&Sが売られ、ファーストリテイリングも冴えない。三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも軟調。KeePer技研が急落、住友ファーマやTDK、マツダが下げた。