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ダウ続落543ドル安 長期金利上昇でハイテク株に売り
【市況】ダウ続落543ドル安 長期金利上昇でハイテク株に売り
 

18日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前週末の14日に比べ543ドル34セント(1.5%)安の3万5368ドル47セントで終えた。米長期金利が上昇し、相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株が売られた。朝方発表の決算が嫌気されたゴールドマン・サックスが大幅に下げ、金融株全般が売られたのも相場の重荷だった。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)は昨秋、高インフレに対応するため、金融緩和によって景気を下支える姿勢を転換。昨年12月には2022年に3回の利上げをする想定を示した。しかし、市場では、「3月に事実上のゼロ金利を解除し、合計で年4回の利上げに踏み切る」との見方が台頭した。
 
金融引き締め効果が大きいとされる量的緩和で膨らんだ資産圧縮を早期に始めるとの観測も出ている。債券市場では、金融引き締めの動きを織り込む形で、金利が上昇。10年物国債利回りが一時、2年ぶりとなる1.87%近くまで上昇。政策金利に連動しやすい2年債は1%を突破した。
 
18日は米原油先物相場が一時7年ぶりの高値を付けたこともあり、インフレ警戒が強まった。「米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを前倒しする可能性が高まり、投資家心理が悪化した」という。
 
ハイテク株が軒並み売られ、ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが2%強下げた。ダウ平均の構成銘柄以外では半導体製造装置のアプライドマテリアルズが9%安、半導体のエヌビディアが4%安となるなど半導体関連株の下げが目立った。
 
グロース(成長)株が売られた一方で、景気敏感株などバリュー(割安)株への資金シフトも限られた。景気敏感株の代表である金融株には売りが広がった。きっかけはゴールドマン・サックスの決算だ。人件費上昇が重荷となり、21年10〜12月期の1株利益が市場予想に届かなかった。同社株は7%下げ、1銘柄でダウ平均を170ドルあまり押し下げた。JPモルガン・チェースは4%安だった。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比386.856ポイント(2.6%)安の1万4506.897で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,368.47−543.34
S&P500種
4,577.11−85.74
ナスダック
14,506.897−386.856
FTウィルシャー5000
46,716.85−938.42
NY金(ドル/トロイオンス)
1,812.40−4.10
NY原油(ドル/バレル)
86.56+2.74
円・ドル
114.57 - 114.62−0.29


 

【シカゴ日本株先物概況】



18日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比295円安の2万8005円で引け、18日の大取終値を245円下回った。
FRBの早期利上げと今年4回の利上げへの期待が強まる中、米国債利回りの上昇を嫌気している。米長期金利の上昇を手掛かりに売られた。18日の市場で原油価格が7年ぶりの高値をつけ、インフレへの警戒感が広がった。


 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28005 ( -245 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28035 ( -215 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7563.55(−47.68)
18日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ47.68ポイント(0.63%)安の7563.55で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
米金融大手ゴールドマン・サックスの決算が市場予想を下回ったことで、欧州でも金融株が売りを浴びた。各国の長期金利が上昇し、原油価格も約7年3カ月ぶりの高値を更新する中、インフレ懸念が相場の圧迫要因となった。
時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバの下落や銀行株の売りが株価指数を押し下げた。
 
個別では、英金融大手バークレイズ(2.3%安)、同HSBCホールディングス(0.6%安)などの銀行株がさえなかった。建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループも約5%安と目立った。
 
半面、原油高を背景に英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株、B株とも1.5%高と堅調だった。通信のBTグループは、アナリストが株価目標を引き上げたことなどが好感され買われた。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15772.56(−161.16)
18日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて161.16ポイント(1.01%)安の1万5772.56だった。米長期金利の上昇などを背景に米国株が下落し、欧州各国の株式相場もつれ安となった。
個別では、重電のシーメンスが売られた。医療機器のザルトリウスも3%安だった。アディダスは買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7133.83(−67.81)