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大幅続落422ドル安、利下げ観測が一層後退
【市況】大幅続落422ドル安、利下げ観測が一層後退

10日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前日比422ドル16セント(1.08%)安の3万8461ドル51セントで終えた。
 
この日朝方発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.5%上昇と、伸び率は前月から2カ月連続で加速した。市場予想も上回り、6月に見込まれている利下げ開始時期が遅れるとの観測が浮上。米長期金利が4.5%台に急騰し、ハイテク株など幅広い銘柄の売りが膨らんだ。
幅広い銘柄が売られ、ダウ平均の下げ幅は570ドルを超える場面があった。
 
米債券市場では長期金利が上昇(債券価格が下落)した。CPIが市場予想より上振れしたことに加え、10年債入札が需要の弱さを示す結果となり、米長期金利は午後に4.5%台半ばとおよそ5カ月ぶりの高水準を付けた。金利の上昇で株式の相対的な割高感が意識され、株売りを誘った。
 
FRBが午後に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月19〜20日開催分)では、参加者がここ数カ月の景気の強さを示す経済指標や物価指標に注目し、インフレ率が持続的に目標の2%に向かっているとの確信が高まるまでは利下げは適切ではないとの見解を示していたことが明らかとなった。利下げ開始に慎重な見方は株式相場の重荷だった。
 
市場では「FRBが利下げを始めるタイミングを見極めるのが難しくなっており、投資家のリスク回避姿勢が強まっている」との指摘があった。
 
ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポとインテルの下げが目立った。ゴールドマン・サックス、ボーイングも売られた。半面、ウォルマートとシェブロンが上げた。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日比136.279ポイント(0.83%)安の1万6170.360で終えた。テスラやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが売られた。
 
 
 


【シカゴ日本株先物概況】
 
10日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比380円安の3万9220円で終えた。この日の日経平均株価が下落して終えていたほか、同日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて米株式相場が下げたことから、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢だった。
 
NYダウ平均は、3月の米消費者物価指数(CPI)でインフレの根強さが示され、早期の米利下げ観測が一層後退したことを受け、大幅続落した。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39220 ( -330 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39250 ( -300 )
 
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7961.21(+26.42)
 
10日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比26.42ポイント(0.33%)高の7961.21で終えた。一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった英HSBCホールディングスやスタンダードチャータードなど銀行株が買われた。原油先物相場の上昇基調を支えに英シェルなどエネルギー株が上げたほか、英スーパー大手テスコなど食品関連の小売り株にも買いが優勢だった。

FTSE100種指数は前日終値を下回って推移する場面があった。英国時間10日午後に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想以上に伸びたのをきっかけに米利下げ観測が後退。欧米の長期金利が上昇したことも重なり、投資家心理の重荷となった。

午前中に上げていたスイスのグレンコアといった鉱業株が売り優勢に転じたのは、指数の重荷だった。米CPIの発表後、外国為替市場でのドル高も響いて国際商品市場では非鉄金属などの先物に売りが増えた。これにつれる形で鉱業株への買いも失速した。

FTSEの構成銘柄では、増益予想を発表したテスコが3.30%高と上昇率トップ。金融大手HSBCホールディングスが2.87%高、工業・電子製品大手RSグループが2.18%高と続いた。一方、オンライン食品販売大手オカド・グループは3.39%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが2.10%安だった。

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18097.30(+20.61)

10日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比20.61ポイント(0.11%)高の1万8097.30で終えた。

ドイツ長期金利の上昇を背景に、不動産関連の銘柄には売りが出た。公益株も下げた。

個別では、ドイツ銀行(2.41%高)やコメルツ銀行(1.99%高)、通信大手ドイツテレコム(1.76%高)などが買われた半面、製薬大手サルトリアス(3.41%安)や医薬大手メルク(2.18%安)などが売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8045.38(-3.79)

フランスCAC40種指数は0.05%安だった。欧州株は、市場予想を上回った米消費者物価指数(CPI)を受けて一時約1カ月ぶりの安値水準を付けたが、その後の銀行やエネルギー関連株の上昇で押し上げられた。