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ダウ続伸96ドル高、利下げ観測やAI業績期待 
【市況】ダウ続伸96ドル高、利下げ観測やAI業績期待 
5日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比96ドル04セント(0.24%)高の3万8807ドル33セントで終えた。
 
この日発表された米雇用指標が市場予想を下回り、FRBが9月にも利下げを始めるとの見方が強まった。米半導体大手エヌビディアは5.2%上昇して時価総額が3兆ドルを突破、米アップルを追い抜いてナスダック全体を押し上げた。他の人工知能(AI)関連の銘柄も値上がりした。
同日発表の米経済指標で景気の底堅さが示されたことも製造業などの買いを促した。市場参加者からは「利下げが遅れる懸念は薄れ、景気も悪くない。ちょうど良い相場環境だった」との声が聞かれた。
 
5日発表の5月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が前月比15万2000人増えた。伸びは4月(改定値)の18万8000人から縮小し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(17万5000人)を下回った。4日発表の4月の米雇用動態調査(JOLTS)に続いて労働市場の過熱感が薄れていることを示し、インフレ圧力が和らぐとの見方を誘った。
 
米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した5月の非製造業(サービス業)景況感指数は53.8と、市場予想(50.7)以上に4月(49.4)から改善し、好不況の境目とされる50を再び上回った。個別項目では「価格」が低下したため、インフレ圧力を高める内容ではないと受け止められた。「スタグフレーション(景気停滞とインフレの共存)への懸念を和らげた」との見方も相場を支えた。
 
FRBが利下げに動きやすくなるとの観測から、米長期金利は一時4.2%台後半と約2カ月ぶりの水準に低下した。高PER(株価収益率)のハイテク銘柄を中心に株式の相対的な割高感が薄れるとみた買いが入った。
 
AI関連需要の拡大による業績期待が強い銘柄に買いが広がったことも、投資家心理の改善につながった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが5%高となり、時価総額は初めての3兆ドル台に乗せた。アップルを抜いてマイクロソフトに次ぐ世界2位となった。半導体関連銘柄も軒並み買われた。前日発表した決算でAI関連製品の業績貢献を示したヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の上昇も目立った。
 
ダウ平均は160ドルあまり下げる場面もあった。ハイテク株に資金が向かった一方、ディフェンシブ株や消費関連株の一角は売られやすかった。
 
個別銘柄ではインテルやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アップルが買われた。ゴールドマン・サックスやハネウェル・インターナショナルも高い。一方、アメリカン・エキスプレスやウォルト・ディズニー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、マクドナルドは下げた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比330.858ポイント(1.96%)高の1万7187.905で終えた。5月28日以来となる過去最高値を更新した。半導体関連株が軒並み買われた。メタプラットフォームズやアルファベットも高い。
 
S&P500種株価指数は4日続伸し、前日比62.69ポイント(1.18%)高の5354.03で終えた。5月21日以来となる最高値を更新した。



【シカゴ日本株先物概況】
 
5日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比540円高の3万8965円で終えた。
NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ期待が高まり、ハイテク銘柄がけん引して続伸した。
同日は米株式相場が上昇し、米S&P500種株価指数は過去最高値を更新した。投資家心理が強気に傾き、日経平均先物にも買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38965 ( +445 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38970 ( +450 )

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】
 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8246.95(+14.91)

 
5日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比14.91ポイント(0.18%)高の8246.95で終えた。5日発表の米雇用関連指標を材料に米国の政策金利が長期にわたり高い水準で維持されるとの観測がやや後退し、投資家心理を上向かせた。

FTSEの構成銘柄では、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが3.59%高と上昇率トップ。医療機器大手スミス・アンド・ネフューが3.30%高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルが2.59%高と続いた。

一方、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが7.28%安と大きく下落したほか、エネルギー小売り大手セントリカが4.82%安だった。
 
 
 


■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18575.94(+170.30)

5日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比170.30ポイント(0.92%)高の1万8575.94で終えた。欧州中央銀行(ECB)が6日の定例理事会で利下げを決めるとの見方が広がるなか、ソフトウエアの独SAPや半導体のインフィニオンテクノロジーズなどハイテク関連の銘柄が買われた。

個別では、製薬大手サルトリアス(4.32%高)や医薬大手メルク(2.65%高)、総合電機大手シーメンス(2.61%高)が買われた半面、素材化学大手コベストロ(1.66%安)や電力大手RWE(1.04%安)などが売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8006.57(+68.67)
フランスCAC40種指数は0.87%高だった。この日発表された米国の雇用指標が市場予想を下回ったことで、米国の9月利下げ観測が高まり、押し上げられた。