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5日ぶり反落45ドル安、シスコの売り膨らむ
【市況】5日ぶり反落45ドル安、シスコの売り膨らむ
 
16日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比45ドル74セント(0.13%)安の3万4945ドル47セントで終えた。決算発表で市場予想を下回る見通しを発表した銘柄を中心に売られ、ダウ平均の重荷となった。このところ相場の上昇が続いた後で、主力銘柄の一部には利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。
 
ネットワーク機器のシスコシステムズは
機器の供給制約やコロナ禍後の需要減速を受け、売上高などの見通しを下方修正した。発表内容に悲観的な見方が広がり、同社株は前日終値比9%超安と、ダウ相場を大きく押し下げた。
 
小売りのウォルマートも16日朝に四半期決算と併せて発表した通期の1株利益見通しが市場予想以下だったことが嫌気され、8%安となった。
市場では「IT(情報技術)と消費関連の企業の業績に対する先行き懸念は市場心理の悪化につながった」との声が聞かれた。
 
今週発表が相次いだ10月の米消費者物価指数(CPI)など物価指標が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が終わったとの見方が広がった。ダウ平均は直近4営業日で1000ドルあまり上昇し、前日には8月中旬以来の高値で終えていた。短期的な過熱感が意識されやすく「株買いが一服してもおかしくない」との見方が出ていた。ダウ平均の下げ幅は170ドルを超える場面があった。
 
ただ、売り一巡後は取引終了にかけて下げ渋った。朝発表の週間の新規失業保険申請件数は市場予想以上に前週から増えたうえ、前回分も小幅に上方修正された。労働需給の逼迫が緩和していると受け止められ、FRBの金融引き締めの長期化観測が一段と後退した。米債券市場では長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄らいだことは投資家心理の支えとなった。
 
個別銘柄では、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや航空機のボーイングが安い。米原油先物相場が大幅に下落し、業績懸念から石油のシェブロンや建機のキャタピラーも売られた。半面、アナリストが投資判断を引き上げた半導体のインテルは7%弱高となった。外食のマクドナルドのほか、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルも上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比9.837ポイント(0.06%)高の1万4113.673と、連日で8月上旬以来の高値で終えた。ネット検索のアルファベットや画像処理半導体のエヌビディアが買われた。
 
 
 


【シカゴ日本株先物概況】
 
16日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比20円高の3万3405円で引けた。
NYダウは、業績見通しを引き下げた米ネットワーク機器大手シスコシステムズの売りが膨らみ、5営業日ぶりに反落した。同日は日米で株式相場が軟調だったものの下値は限られており、シカゴ市場の日経平均先物には買いがやや優勢となった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33405 ( -45 )
 
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32415 ( -35 )

( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7410.97(−75.94)
 
16日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ75.94ポイント(1.01%)安の7410.97で終えた。原油先物相場の下落を背景に、エネルギー大手の英シェルとBPの株価がそろって3%前後下げ、指数を押し下げた。

16日のロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で、北海ブレント先物相場は一時、1バレル77ドル台後半と7月中旬以来、約4カ月ぶりの安値をつけた。15日終値は81.18ドルだった。米国で原油在庫が積み上がっているとの見方がある。中国の需要が減退するとの懸念もあり、米国や英国で取引されている原油先物には需給の緩みを警戒した売りが出た。

FTSEの構成銘柄では、中国事業の不振が伝わったバーバリーが11.15%安と急落。オンライン食品販売大手オカド・グループは6.17%安、投資会社ハーグリーブス・ランズダウンは5.84%安となった。
一方、医療・安全装置メーカーのハルマは3.18%高、送電大手ナショナル・グリッドは2.10%高、産金大手エンデバー・マイニングは1 60%高だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15786.61(+38.44)
 

16日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日比38.44ポイント(0.24%)高の1万5786.61と9月中旬以来の高水準を更新した。16日に2023年9月期通期の決算と増配計画を公表した独重電大手シーメンスが大幅高となり、指数を支えた。保険など金融関連の銘柄にも買いが入った。

一段の上値を追う勢いは限られ、指数は取引終了にかけて上げ幅を縮小した。原油先物相場の下落などを背景に、16日は欧州の他の主要株価指数は下げた。DAX指数も、構成する40銘柄のうち前日比で上昇したのは17銘柄と半数以下にとどまった。

個別では、総合電機大手シーメンスが5.70%高、エネルギー大手イーオンが2.04%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが1.16%高と買われた半面、通販大手ザランドは4.60%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.60%安、化学大手BASFは2.48%安だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7168.40(−41.21)

フランスCAC40種指数は0.57%安だった。エネルギー株を中心に利益確定などの売りが優勢となった。