ダウ続伸38ドル高 長期金利低下で
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【市況】ダウ続伸38ドル高 長期金利低下で |
12日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比38ドル30セント(0.1%)高の3万6290ドル32セントで終えた。
朝方発表された昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇し、1982年6月以来39年半ぶりの高い伸びを記録。供給網の混乱などを受けたインフレ高進を確認する内容となったが、市場ではほぼ織り込み済みで、取引序盤のダウは堅調に推移した。
ただ、買い一巡後は今週末に公表される米主要金融機関の決算、年末商戦の結果を示す小売売上高統計を控え、手掛かり難となる中、ダウは前日終値を挟んで方向感に乏しい展開が続いた。
CPIは前年同月比7.0%上昇と39年ぶりの高さだったが、市場予想と同じだった。供給制約が和らぐにつれ、今春以降のインフレ鈍化を見込む市場関係者も多い。米債券市場では先週来インフレ加速を織り込んで長期金利が上昇していたため、12日の長期金利はCPI発表後に1.71%(前日終値は1.73%)に低下する場面があった。
長期金利低下を受けてハイテク株が買われ、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコム、スマートフォンのアップルが上昇した。機械のハネウェル・インターナショナルや建機のキャタピラー、航空機のボーイングなど景気敏感株の一角も高い。
半面、金融のゴールドマン・サックスが3%安となり、1銘柄でダウ平均を80ドルあまり押し下げた。同業のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループが12日、2021年9〜11月期の債券トレーディング収入が大幅に減少したと発表し、連想売りが出た。ダウ平均の構成銘柄ではないが、同業のモルガン・スタンレーも3%安だった。
FRB高官の発言も相場の上値を抑えた。米クリーブランド連銀のメスター総裁は12日、金融市場に悪影響を与えない限り「米連邦準備理事会(FRB)は迅速にバランスシートの縮小を開始すべきだ」と述べた。金融引き締めの前倒しへの警戒感が一時強まった。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比34.943ポイント(0.2%)高の1万5188.392で終えた。電気自動車のテスラが4%高。アプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体製造装置株も軒並み上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
36,290.32+38.30
S&P500種
4,726.35+13.28
ナスダック
15,188.392+34.943
NY金(ドル/トロイオンス)
1,818.50+19.70
NY原油(ドル/バレル)
82.76+1.54
円・ドル
114.65 - 114.69−0.74

12日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物は前日比195円高の2万8650円で引け、12日の大取終値を90円下回った。
12月消費者物価指数(CPI)が前年比で40年ぶり最大の伸びを記録したと同時に一部で物価上昇ペースの鈍化も見られ、金利の上昇が一段落したため寄り付き後、上昇。日経平均先物は米株とともに買われた。しかし、高インフレ懸念も根強く、上値も限定的となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28650 ( -90 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28680 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7551.72(+60.35)
12日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ60.35ポイント(0.81%)高の7551.72で引けた。構成銘柄の5割超が上昇した。
日中を通して主力の資源株が買われ、相場の上げをけん引した。銅と原油相場の上昇を追い風に鉱業株と石油株が高かった。
個別では、商品相場の値上がりを好感し、産銅大手アントファガスタ(7.5%高)や資源大手BHPグループ(4.5%高)など資源関連株が上げを主導した。業績予想を上方修正した流通大手セインズベリー(3.1%高)も買われた。
一方、テイラー・ウィンピーを筆頭に住宅建設株は売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16010.32(+68.51)
12日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて68.51ポイント(0.43%)高の1万6010.32だった。
12日の米国市場が株高で始まると欧州市場にも買いが波及し、各国の株式相場はそろって上昇した。
個別では、電力のRWEと不動産のボノビアの上げが目立った。タイヤのコンチネンタルや素材メーカーのコベストロは安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7237.19(+53.81)