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350円高と続伸、ハイテク株買い優勢
東京株式(前引け)=350円高と続伸、ハイテク株買い優勢

 
3日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比350円68銭(0.88%)高の4万0425円37銭だった。
きょう前場は主力株をはじめ広範囲に物色され、日経平均株価は続伸。前日に440円あまりの上昇をみせていたこともあり、朝方の買い一巡後は伸び悩む場面もあったが、後半買い直された。海外投資家が半導体関連などハイテクセクターに買いを入れているとの観測。一方で大手金融株や大手自動車株の上値が重く、TOPIXの上昇率はわずかにとどまった。値上がり銘柄数はプライム上場銘柄の約6割を占め、全体売買代金は2兆円を上回った。
 
 前日の米株式市場ではテスラが発表した2024年4〜6月期の世界販売台数が市場予想ほど悪化しなかったことで株価が急伸した。投資家心理が上向き、ハイテク株に買いが広がった流れで東京市場でもハイテク株買いが活発になった。
 
フランスで政治情勢を巡る懸念がくすぶるなか、「リスクヘッジ目的の日本株買いが足元で入りやすくなっている」といった見方もあった。
 
一方、このところ上昇が目立っていた割安株などには利益確定売りが出た。スズキやトヨタといった自動車株、東京海上をはじめとする金融株や商社などが下落した。
 
後場もハイテク株主導で日経平均優位の地合いとなりそうだが、今晩の米国市場が独立記念日の祝日前で半日立ち合いのため、後場の売買は細りそうだ。為替は1ドル161円60銭水準と円安ドル高は一服だが、今晩の重要な米経済指標(ADP雇用者数、貿易収支、ISM非製造業景気指数、FOMC議事録など)を見極めたいとするムードが強まっている様子。今晩から明日4日にかけて、米独立記念日の祝日等で参加者が減少することから為替は小動きとなりそう。「4日の米祝日のタイミングで政府・日本銀行が円買い介入を実施する」との声も聞かれることで、後場一段の円安ドル高進行は回避されよう。
 


 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは5.76ポイント(0.20%)高の2862.38だった。前引け時点で前日に更新した年初来高値を上回った。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1935億円、売買高は8億4946万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は958、値下がりは618、横ばいは69だった。
 
業種別では、機械、海運業、化学、その他金融業、ガラス・土石製品などが上昇した一方、石油・石炭製品、ゴム製品、保険業、鉱業、輸送用機器などが下落した。
 
個別では売買代金トップとなったディスコが大きく上値を追ったほか、米アップルが史上最高値を更新したことなど影響して、太陽誘電、村田製作所、TDK、京セラ、アルプスアルパインなどアップル関連の上げが目立ったほか、スクリーンHD、ルネサスエレクトロニクス、ディスコ、SUMCO、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体株も買われた。このほか、防衛関連の三菱重工業、IHI、川崎重も上昇した。霞ヶ関キャピタルはストップ高カイ気配。日本冶金工業なども値を飛ばした。
 
半面、トヨタ自動車が冴えず、日立製作所も軟調、東京海上ホールディングス、MS&AD、SOMPOホールディングスなど保険株は反落したほか、千葉銀行、しずおかFG、ふくおか、コンコルディアなど地銀株も売り優勢となった。日本金銭機械が大幅安、NTTデータグループの下げも目立つ。このほか、横浜ゴム、ブリヂストンもさえない。