4日続伸163ドル高、米追加利上げ観測後退
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【市況】4日続伸163ドル高、米追加利上げ観測後退 |
15日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比163ドル51セント(0.46%)高の3万4991ドル21セントと8月中旬以来の高値で終えた。
朝方発表された10月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%低下し、市場予想を下回った。前日の消費者物価指数(CPI)に続き、インフレ圧力の鈍化が確認され、連邦準備制度理事会(FRB)による現在の金融引き締めの取り組みで、追加利上げが行われる可能性が低いとの見方が広まった。
市場では「FRBが追加利上げを避けるとの見方を支える」結果だったとの受け止めが広がった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、15日に市場予想を上回る四半期決算を発表した小売りのターゲットが急伸した。同日発表の10月の米小売売上高は前月比0.1%減と市場予想(0.2%減)ほど落ち込まなかった。消費の底堅さが意識されたのも米株相場を支えた。
ただ、ダウ平均は上げ幅を40ドルほどに縮める場面があった。前日までの3営業日で900ドルあまり上昇していた。短期間で大きく水準を切り上げた後で、利益確定売りも出た。
映画・娯楽のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキなど消費関連株の上昇が目立った。半導体のインテルや工業製品・事務用品のスリーエムも上昇した。半面、製薬のメルクや日用品のプロクター・アンド・ギャンブルといったディフェンシブ株の一角が下げた。
ナスダック総合株価指数は小幅に続伸した。前日比9.455ポイント(0.06%)高の1万4103.836と8月上旬以来の高値で終えた。電気自動車のテスラが上昇した。半導体のエヌビディアは11営業日ぶりに反落した。

15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比175円高の3万3385円で引けた。10月の米卸売物価指数(PPI)の伸び率が市場予想を下回り、インフレ鈍化を受けて追加利上げ観測が後退する中、同日の米株式相場が上昇。日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)33385 ( -65 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)33400 ( -50 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7486.91(+46.44)
15日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日に比べ46.44ポイント(0.62%)高の7486.91で終えた。15日までに発表された英国や米国の物価指標などを踏まえ、欧米でのインフレ鈍化が意識された。主要な中央銀行による追加利上げがありうるとの観測が後退し、投資家心理を支えた。
15日発表の10月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が4.6%と9月(6.8%)から低下した。2年ぶりの低水準で、市場予想も下回った。
FTSEの構成銘柄では、2023年4〜9月期が大幅な増益になったと公表した信用リスク管理サービス会社エクスペリアン(7.65%高)や保険会社セント・ジェームズ・プレイス(6.57%高)、オンライン食品販売大手オカド・グループ(5.60%高)が買われた半面、流通大手テスコ(1.83%安)や酒造大手ディアジオ(1.83%安)が売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15748.17(+133.74)
15日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比133.74ポイント(0.85%)高の1万5748.17と9月20日以来、約2カ月ぶりの高水準で終えた。足元で欧米のインフレ鈍化を示唆する指標が相次ぎ、欧米の主要中央銀行による利上げ局面が終わるとの観測が支えとなった。
個別では、電気自動車(EV)向けなどの需要が好調で、2023年9月期通期決算で純利益が大幅に増えたと発表した半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが9.69%高と上昇率トップ。エネルギー大手シーメンス・エナジーが8.78%高、通販大手ザランドが3.61%高と続いた。一方、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.95%安、不動産大手ボノビアは1.79%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7209.61(+23.93)
フランスCAC40種指数は0.33%高だった。
米国と英国のインフレ鈍化を示す指標を背景に中央銀行の金融引き締め策が終了するとの見方が強まり、2カ月弱ぶりの高値水準に上昇した。