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4日続落2ドル安、ナスダックは最高値
【市況】4日続落2ドル安、ナスダックは最高値

11日のNYダウ工業株30種平均は小幅に4日続落し、前日比2ドル43セント(0.00%)安の3万8459ドル08セントで終えた。ディフェンシブ株を中心に売りが出て、ダウ平均の重荷となった。
 
朝方発表された3月の米卸売物価指数(PPI)の伸びは市場予想を下回ったが、前日明らかにされた米消費者物価指数(CPI)を受けてインフレに対する警戒感が払拭されておらず、弱地合いの中で取引序盤のダウは売りが先行した。
 
ダウは徐々にアップル、マイクロソフトなどハイテク株主導で下げ幅を縮小し、午後にプラス圏に浮上した。ただ、物価統計を眺めて米利下げに対する不透明感が広がる中、上値が重い展開が続き、引け際に再びマイナス圏に沈んだ。
 
ダウ平均は午前に260ドルあまり下げる場面があった。11日朝発表の週間の新規失業保険申請件数が前の週から減り、市場予想を下回った。インフレ圧力が根強いなかで高金利が長引くとの見方が意識された。米長期金利が一時、前日比0.04%高い4.59%と昨年11月中旬以来の水準に上昇(債券価格は下落)し、株式の相対的な割高感も相場の重荷だった。
 
ダウ平均の構成銘柄では、トラベラーズやユナイテッドヘルス・グループといったディフェンシブ株の下げが目立った。12日から大手金融機関の決算発表が本格的に始まる。15日に決算を発表するゴールドマン・サックスなどにも売りが出て、ダウ平均を下押しした。原油価格の上昇が一服したことを受け、シェブロンも安かった。
 
一方、PPIの上昇率は前月比で0.2%と2月(0.6%)から縮小し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%)を下回った。エネルギーと食品を除くコア指数の伸びも鈍化した。市場予想から全般に上振れした前日発表の消費者物価指数(CPI)ほどインフレ懸念を強める内容ではなかった。
 
ダウ平均は前日に400ドルあまり下げていた。CPIを受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が年後半になり、年内の利下げ回数が減るとの観測が強まった。4月に入って前日までの下落幅は1300ドルを超えていた。主力ハイテク株を中心に押し目買いが入り、ダウ平均は140ドル近く上げる場面があった。
 
ダウ平均ではアップルが4%強上昇した。人工知能(AI)分野で巻き返しを図っているとの報道に加え、アナリストがAI対応のアイフォーンへの買い替え需要が高まる可能性を指摘したことが買いを誘った。アナリストが投資判断を引き上げたナイキの上げも目立った。アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトも買われた。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比271.838ポイント(1.68%)高の1万6442.198と3月下旬以来、約3週間ぶりに最高値を更新した。エヌビディアが大幅続伸し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も上げた。
 
 



【シカゴ日本株先物概況】
 
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比415円高の3万9635円で終えた。
11日のニューヨーク株式相場は、インフレに対する警戒感が根強い中、4日続落した。
この日はナスダック総合株価指数が最高値を更新するなど米株式市場ではハイテク株の上昇が目立ち、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39635 ( +225 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39665 ( +255 )
 
( )は大阪取引所終値比
 
 




【欧州株式市場】
 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7923.80(-37.41)
 
11日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比37.41ポイント(0.46%)安の7923.80で終えた。英国や米国で金融政策が利下げ方針に転じるまでにはまだ時間がかかるとの見方が、投資家心理の重荷となった。

英HSBCホールディングスやロイズ・バンキング・グループなど銀行株が軒並み下げ、指数を下押しした。英ブリティッシュ・エアウェイズなどを傘下に抱えるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)といった空運株にも売りが出たほか、食品サービスのコンパスグループをはじめ消費者サービスの関連銘柄も下げた。一方で英アストラゼネカなど製薬株は上昇した。

英国の金融政策をめぐっては、英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会メンバーであるグリーン氏が11日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙への寄稿で、利下げはまだ先になるだろうとの見方を示したことが材料となった。

FTSEの構成銘柄では、保険大手アビバが6.35%安と下落率トップ。同業のフェニックス・グループ・ホールディングスが5.81%安、流通大手テスコが5.05%安と続いた。一方、エネルギー小売り大手セントリカは3.41%高、医療機器・精密部品大手スミスグループは2.68%安だった。

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17954.48(-142.82)
 
11日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比142.82ポイント(0.78%)安の1万7954.48で終えた。終値が節目の1万8000を下回るのは約3週間ぶり。ドイツ銀行など銀行株に売りが膨らみ、相場を下押しした。

欧州中央銀行(ECB)は11日、政策金利を据え置くと発表した。声明文やラガルド総裁の記者会見の内容を受けて、ECBが6月にも利下げをする可能性が意識された。だが11日の欧州国債市場でドイツの10年物国債利回りは、米長期金利の動きにつれる形で上昇した。金利上昇を背景に、不動産大手ボノビア株には売りが続いた。

個別では、通信大手ドイツテレコムが6.15%安と大きく売られたほか、コメルツ銀行が4.02%安、化学大手BASFは3.54%安だった。他方、電力大手RWEは2.72%高、防衛大手ラインメタルが1.82%高と買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8023.74(-21.64)

フランスCAC40種指数は0.27%安だった。