兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

NYダウ339ドル安、景気敏感株に売り
【市況】NYダウ339ドル安、景気敏感株に売り


19日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比339ドル82セント(1.0%)安の3万5028ドル65セントで終えた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われてダウ平均は上昇して始まったが、買い一巡後は景気敏感株を中心に売られて下げに転じた。取引終了にかけて売りが強まる展開で、ほぼこの日の最安値で終えた。
 
米家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が朝方発表した昨年10〜12月期決算は市場予想を上回る増収増益。バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーも好決算を明らかにしたほか、このところ売られ過ぎ感も浮上する中、取引序盤のダウは堅調に推移した。
ただ、買い一巡後は原油相場の高止まりを眺めてインフレ懸念が広がる中、前日終値を挟んで不安定な値動きを維持。終盤に景気敏感株を中心に売りが膨らみ、ダウはマイナス圏で取引を終えた。
 
航空機のボーイングと建機のキャタピラーは4%下げた。消費関連株も売られ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやホームセンターのホーム・デポが安い。前日に発表した決算で1株利益が市場予想を下回った金融のゴールドマン・サックスも連日で売られた。
 
米長期金利は19日未明に1.90%と2年ぶりの高水準を付け、日中も1.8%台半ばで高止まりした。金利の先高観は続いており、株式相場には資金が入りにくい。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)株への売りも続いた。
 
スマートフォンのアップルは2%安、ダウ平均構成銘柄以外では電気自動車のテスラと半導体のエヌビディアは3%あまり下げた。半導体製造装置のアプライドマテリアルズが6%強下げるなど、半導体関連株は総崩れだった。
 
S&P500種株価指数が、長らく下値支持線になってきた100日移動平均を下回って終えた。チャート上の下値のメドが見えなくなり、一段と売りを誘った。投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日比で5%高い23.85で終え、不安心理が高まった状態とされる20を上回る水準で推移した。
 
一方、好決算を発表した銘柄には個別に買いが入った。19日に発表した2021年10〜12月期決算で1株利益と売上高が市場予想を上回った日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は3%高となり、医療保険のユナイテッドヘルス・グループも買われた。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比166.642ポイント(1.1%)安の1万4340.255で終えた。昨年11月に付けた過去最高値からの下落率は10.7%となった。高値から10%以上下げた場合に当てはまる「調整局面入り」した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,028.65−339.82
S&P500種
4,532.76−44.35
ナスダック
14,340.255−166.642
FTウィルシャー5000
46,234.72−482.13
NY金(ドル/トロイオンス)
1,843.20+30.80
NY原油(ドル/バレル)
86.17+0.74
円・ドル
114.33 - 114.37−0.09
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


 
19日のシカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比430円安の2万7575円で引け、19日の大取終値を55円上回った。景気先行きへの警戒感が強まり、日経平均先物は米株とともに売られた。

NYダウは、連邦準備制度理事会(FRB)の早期の急激な金融引き締めへの警戒感がくすぶり、引けにかけて、下げ幅を拡大した。19日の市場で原油価格が7年ぶりの高値を連日更新し、インフレ懸念が広がった。
 
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27575 ( +55 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27605 ( +85 )
( )は大阪取引所終値比
 
 



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7589.66(+26.11)
19日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ26.11ポイント(0.35%)高の7589.66で引けた。指数構成銘柄の6割程度が上昇。特に資源株などがけん引した。
 
商品相場の上昇を背景に鉱業株が買われ、株価指数の上げに大きく影響した。ただ、インフレ懸念から英中銀は来月にも利上げするとの観測が強まり、指数の上値は限られた。19日早朝に発表された2021年12月の英消費者物価指数(CPI)の前年同月比の伸び率は約30年ぶりの高さとなった。
 
個別では、ロシアの金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルが7%超上げた。堅調な利益見通しを示した銘柄の上昇も目立った。ファッションのバーバリー・グループは6.3%の大幅高。2022年3月期通期の営業利益が市場予想を上回るとの見通しを示したことが好感された。チリ産銅大手フレスニーヨも4.9%高。教育事業のピアソンも21年12月期通期の営業利益見通しを引き上げたことを受けて4%超上げた。
一方、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15809.72(+37.16)
19日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて37.16ポイント(0.24%)高の1万5809.72だった。小安く始まった後、買い戻しが優勢となった。午後に上げ幅をやや縮めた。
個別では、ファッション通販のザランドは3%超上げ、医療機器のザルトリウスの上昇も目立った。消費財のヘンケルは下落した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7172.98(+39.15)