【市況】ダウ497ドル安、中国の抗議活動など嫌気 |
28日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比497ドル57セント(1.4%)安の3万3849ドル46セントで終えた。
コロナ感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策への抗議活動が中国各地で広がり、企業の生産などへの影響が懸念されている。アップルは中国の工場でスマートフォン「iPhone(アイフォーン)14プロ」など600万台近くが作れなくなる恐れがあると報じられた。
中国景気敏感株やハイテク株など幅広い銘柄に売りが出た。航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエムが大幅に下落。中国での製品生産が滞ると伝わったスマートフォンのアップルは2%超下げた。中国の原油需要の減少が警戒され、石油のシェブロンも安い。
一方、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株は底堅かった。製薬のメルクや日用品・医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンは小幅に上げた。
米連邦準備理事会(FRB)高官が金融引き締めの長期化見通しを示したのも株式相場の重荷となった。セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレ抑制に向け「(政策金利が)経済に制約的になる道のりはまだ長い」と述べ、一段の利上げ余地を示唆した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も金融引き締めを長く続ける考えを強調した。
週内に複数の主要イベントを控え、投資家の警戒感も高まっている。30日にはパウエルFRB議長が講演を予定。12月1日には10月の米個人消費支出(PCE)物価指数、2日に11月の米雇用統計の発表が控えている。
ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比176.857ポイント(1.6%)安の1万1049.499で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズなど主力株の一角が下げたほか、エヌビディアなど半導体銘柄が総じて売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は続落した。12月物は前週末比250円安の2万8090円で引けた。中国で新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策への抗議活動が拡大していることを嫌気した売りが膨らみ、大幅反落している。同日の米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが広がった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28090 ( -70 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28090 ( -70 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7474.02(−12.65)
28日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前週末に比べ12.65ポイント(0.17%)安の7474.02で引けた。中国政府の厳格な新型コロナウイルス対策への抗議活動が中国各地で広がっている。同国景気の落ち込みへの警戒感が高まり、銀行株やエネルギー株など世界景気の動向に左右されやすい景気敏感業種を中心に売りが出た。
個別では、構成銘柄の約7割が下落。自動車保険大手アドミラル・グループが4.4%安と大きく売られたほか、住宅大手パーシモンと投資会社メルローズ・インダストリーズもそれぞれ3.7%安、3.4%安と下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14383.36(−158.02)
28日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反落し、前週末に比べ158.02ポイント(1.09%)安の1万4383.36で終えた。中国の厳格な新型コロナウイルス対策への抗議活動が同国内で広がっている。中国政治の先行き不透明感や経済悪化が世界景気の逆風になるとの懸念が投資家心理を冷やした。資本財株やハイテク株など幅広いセクターに売りが出た。
個別では、化学品商社ブレンタークが9.7%安と急落。航空機大手エアバスは5.7%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.0%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.7%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6665.20(−47.28)