失業保険申請増が重し(23日)☆差替
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【市況】失業保険申請増が重し(23日)☆差替 |
23日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比353ドル51セント(1.3%)安の2万6652ドル33セントで終えた。
米国の失業保険の申請件数が16週ぶりに増加に転じ、米景気回復の鈍化を警戒した売りが出た。主力ハイテク株がそろって大幅安となったことも相場の重荷となった。
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数は141万6000件と前週から10万9000件増え、16週ぶりに増加に転じた。米西部や南部で新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、飲食店などの営業が再び規制されたことが響いたとみられ、労働市場の先行きに不透明感が広がった。
主力ハイテク株が売られた。アナリストが年後半の業績に不透明感を指摘したスマートフォンのアップルは5%安。22日夕に発表した決算でクラウド事業の成長鈍化が嫌気されたマイクロソフトも4%下げた。2銘柄でダウ平均を180ドルあまり押し下げた。
2社にネット通販のアマゾン・ドット・コム、ネット検索のアルファベット、SNS(交流サイト)のフェイスブックを加えた「GAFAM」は軒並み大幅安となった。相場をけん引してきた主力ハイテク株の売りで「決算発表を受けて利益確定売りが本格化する可能性がある」との警戒が強まった。
今週から米議会で協議が再開した追加の経済対策を巡る不透明感も売りにつながった。米政権と上院の共和党指導部がまとめた案では失業給付の増額が縮小される。増額維持を主張する民主党との交渉が難航するとの見方に加え、共和党案では個人消費を抑えかねないとの懸念も出た。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器やソフトウェアサービスが下落した一方で、自動車・自動車部品が上昇した。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比244.71ポイント安の1万0461.42で終えた。主力ハイテク株が下げたほか、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の売りも目立った。電気自動車のテスラも5%安で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,652.33−353.51
S&P500種
3,235.66−40.36
ナスダック
10,461.417−244.710
NY金(ドル/トロイオンス)
1,890.00+24.90
NY原油(ドル/バレル)
41.30+0.23
円・ドル
106.50 - 106.51−0.36

23日のシカゴ日経平均先物は反落した。
9月物は前日比215円安の2万2540円で引けた。
米景気回復の遅れが懸念された。フロリダ州でのウイルス感染者数の急増や先週分の失業保険申請件数の予想外の増加で見通しが悪化し下落で寄り付いた。引けにかけ、主要ハイテク株を中心に下げ幅を一段と拡大した。
この日の9月物安値は2万2470円、高値は2万2885円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22540 ( -210 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22560 ( -190 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
23日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ4.34ポイント高の6211.44で引けた。決算や業績動向の発表を手掛かりとした銘柄物色が目立った。
指数構成銘柄の約6割は値下がりした。
23日に2020年1〜6月期決算を発表した食品・日用品大手の英蘭ユニリーバは7.9%高で終えた。4〜6月期の売上高の減少率が市場予想よりも小幅にとどまったのが材料視された。ソフトウエア開発のセージ・グループも買われた。同社が23日、2019年10月〜20年6月期の売上高は前年同期に比べ9%増えたと発表したのが好感された。
一方、英エネルギー大手SSEは6.3%安、英ビジネス情報会社インフォーマは5.3%安、英水道会社ペノングループは3.7%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
23日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に続落した。終値は前日と比べて0.86ポイント(0.01%)安の1万3103.39だった。
きのうは5か月ぶりの高値圏まで上昇した。目先の利益確定売りが出て、上昇一服の展開。
23日発表の米国の失業保険の新規申請件数は16週ぶりに前週比で増えた。景気の先行き不透明感から米国株が軟調に推移し、売りが欧州市場にも波及した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,033.76 -3.36