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NYダウ7セント安 利益確定売り
【市況】NYダウ7セント安 利益確定売り
 
6日のNYダウ工業株30種平均は前日比7セント安の2万7492ドル56セントとほぼ横ばい圏で終えた。
 
市場では米雇用統計など底堅い経済指標を受けて米景気の後退局面入りへの不安は大きく後退。米中貿易協議の進展期待も追い風となり、ダウは週初から2日連続で史上最高値を更新した。しかし、6日は目立った買い材料も見当たらない中、利益確定売りが広がって方向感の乏しい値動きとなった。
 
ロイター通信が6日昼前、「米中首脳会談は日時や場所の論議がまとまらず、12月に遅れる可能性がある」と報じた。日程が遅れれば、米政府が12月15日に予定する対中制裁関税「第4弾」が発動されかねないと懸念された。第4弾にはスマートフォンや玩具など消費財が多く含まれ、発動となればハイテク企業の業績や米個人消費に悪影響が出る可能性がある。
 
会談の延期報道でダウ平均は一時84ドル下げた。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエムなど中国売上比率が高い銘柄が売られた。原油安を受け、石油のエクソンモービルやシェブロンも下落した。
 
取引終了にかけては下げ幅を急速に縮めた。米中首脳会談が延期されても「最終的には合意するとの期待は根強く、12月の制裁関税も先送りされる可能性がある」との見方が聞かれた。発表がほぼ終了した米主要企業の2019年7〜9月期決算が、おおむね市場予想を上回ったことも投資家心理の支えになった。
 
米主要企業の7〜9月期決算の発表が峠を越えたこともあって「当面は手掛かり材料に乏しい展開が続く」との声が聞かれた。
 
ダウ平均の7セント安は、プラスマイナスを含めた前日比の変動幅として、変わらずで終えた14年4月24日以来、5年半ぶりの小ささだった。
 
 
ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反落し、前日比24.052ポイント安の8410.628で終えた。12月の対中関税が発動されれば業績への悪影響が意識される半導体の一角に売りが出た。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,492.56−0.076日 17:04
S&P500種
3,076.78+2.16
ナスダック
8,410.628−24.052
NY金(ドル/トロイオンス)
1,493.10+9.40
NY原油(ドル/バレル)
56.39−0.84
円・ドル
108.91 - 108.92−0.06
 

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は反落。
12月物終値は前日比35円安の2万3300円で引けた。大阪取引所の終値とならんだ。この日、貿易問題を巡る米中首脳会談の日程が延期になる可能性があると報道され、米中合意の遅れによる米経済への悪影響への懸念が強まり、米株に売りが出た。日経平均先物はつられて下げた。ただ、協議の先行きについては引き続き楽観的な見方が強く、下げ幅は限られた。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23300 ( 0 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23315 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7396.65(+8.57)
FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ8.57ポイント高の7396.65で引けた。
手掛かり材料に乏しい中、株価は前日終値を挟んだ水準で上下した。7日に英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会を控えていることもあり、様子見気分が広がった。
指数構成銘柄全体のうち、上昇は約半分だった。たばこ株の上げが目立った。
 
個別銘柄では、たばこ大手インペリアル・ブランズが2.4%高で上昇率トップ。時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバは1.8%高と締まり、株価指数の上げに影響した。前日に大幅高となった衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズはこの日も買われた。
 
通信のBTグループは4%超下がった。英ケーブルテレビのヴァージン・メディアがモバイルネットワークについて、BTから携帯電話サービスのボーダフォン・グループに乗り換えると発表したことが売り材料となった。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションの下げも大きくなった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13179.89(+31.39)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。前日と比べて31.39ポイント高の13179.89と、終値ベースで2018年1月末以来、約1年9カ月ぶりの高値水準で引けた。
 
個別銘柄では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズと消費財のヘンケルの上昇が目立った。第3四半期の決算を発表したアディダスは5%超下がった。自動車のダイムラーは、アナリストが投資判断を引き下げたことなどが響いて売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5866.74(+19.85)
フランスの株価指数CAC40は続伸し、終値ベースで2007年7月下旬以来、約12年3カ月ぶりの高値水準で引けた。