3日続伸489ドル高、利上げ観測が後退
【市況】3日続伸489ドル高、利上げ観測が後退 |
14日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比489ドル83セント(1.42%)高の3万4827ドル70セントと、9月中旬以来の高値で終えた。
朝発表の10月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比で横ばいと2022年7月以来1年3カ月ぶりの低水準となり、市場予想を下回った。市場では「もう利上げは打ち止めになる」との見方が強まったほか、米長期金利の大幅な低下も支えとなり、大半の銘柄が値上がりした。
シカゴ連銀のグールズビー総裁も14日午後に米経済団体が開いたイベントで、10月のCPIは「なかなか良い」と話し、インフレ目標達成に向けてゆっくりだが確実に進んでいるとの見方を示したと伝わった。
米債券市場ではCPIの発表後に長期金利が大幅に低下(長期債価格は上昇)し、4.4%台前半まで下がる場面があった。株式の相対的な割高感が薄れたのもハイテク株を中心に株式相場の追い風となった。米景気の大幅な悪化が避けられるとの観測から、化学のダウや建機のキャタピラーといった景気敏感株にも買いが入った。
その他の個別銘柄では、製薬のメルクやソフトウエアのマイクロソフトも上昇。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も買われた。市場予想を上回る四半期決算を発表したホームセンターのホーム・デポは5%高で終えた。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループと保険のトラベラーズは売られた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比326.638ポイント(2.37%)高の1万4094.381と、8月上旬以来の高値で終えた。決算発表を控えアナリストから強気な見通しがあった画像処理半導体のエヌビディアは10日続伸した。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コムも上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比430円高の3万3210円で引けた。
10月の米消費者物価指数(CPI)でインフレの鈍化が示され、追加利上げ観測が大幅に後退したことが好感され同日の米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33210 ( +500 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
33220 ( +510 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7440.47(+14.64)
14日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ14.64ポイント(0.19%)高の7440.47で終えた。14日の10月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受け、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの懸念が後退。英国時間14日午後の取引で欧米の長期金利が急速に低下したことに加え、14日の米株式相場の上昇を背景に投資家心理が改善し、FTSE100種指数も上昇した。
10月の米CPIでは総合指数と、食品・エネルギーを除くコア指数の上昇率が市場予想を下回る水準にとどまった。
FTSEの構成銘柄では、複合企業DCCが12.47%高、オンライン食品販売大手オカド・グループが10.10%高と急伸。商業用不動産大手ランド・セキュリティーズと物流施設大手セグロもそれぞれ6.51%高、6.44%高と大きく買われた。
一方、通信株は売られ、ボーダフォンは5.54%安、BTは2.77%安。航空・防衛大手BAEシステムズも3.16%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15614.43(+269.43)
14日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比269.43ポイント(1.75%)高の1万5614.43で終えた。終値として9月下旬以来、約2カ月ぶりの高水準となる。欧州時間14日午後に発表の10月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化を示唆する内容となったのをきっかけに、指数は上げ幅を広げた。
10月の米CPIは総合指数、食品・エネルギーを除くコア指数ともに上昇率が市場予想を下回った。これを受けて米長期金利が急速に低下。ドイツなど欧州の長期債利回りも低下し、投資家心理の支えとなった。不動産や、フォルクスワーゲンなど自動車、ヘルスケア関連など幅広い業種で買いが優勢となった。指数を構成する40銘柄のうち、34銘柄が上昇した。
個別では、通販大手ザランドが10.01%高、医療機器のザルトリウスが8.03%高、不動産大手ボノビアが8.00%高。半面、防衛大手ラインメタルは1.35%安、コメルツ銀行は1.23%安、通信大手ドイツテレコムは0.44%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7185.68(+98.62)
フランスCAC40種指数は1.39%高だった。
弱い内容の米消費者物価指数(CPI)を受けて米利上げ打ち止め観測が広がり、金利に敏感な不動産株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。