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ダウ反発140ドル高、早期利下げ期待で
【市況】ダウ反発140ドル高、早期利下げ期待で
4日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比140ドル26セント(0.36%)高の3万8711ドル29セントで終えた。
 
この日発表された4月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は2カ月連続の減少で、市場予想も下回った。非農業部門の求人件数が805万9000件と前の月から減少し、2021年2月以来の低水準となった。
 
労働市場の逼迫(ひっぱく)やインフレが和らぐとの見方から9月にも利下げが開始されるとの観測が再び広がり、取引終盤にかけてヘルスケアや小売り関連を中心に買いが入った。

ただ、JOLTSのほか、前日発表の米サプライ管理協会(ISM)の製造業購買担当者景況指数(PMI)を受け米景気の弱さも意識され、上値は重い展開となった。金や原油といった資源価格の下落も相場を下押しした。
 
4日の米債券市場で長期金利は4.3%台前半に低下(前日終値は4.40%)した。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れたのも米株相場を押し上げた。
 
ダウ平均は下げて推移する場面もあった。このところ米経済の減速を示す指標の発表が相次ぎ、景気の先行きへの不安が投資家心理の重荷となった面がある。アトランタ連銀が経済指標から実質国内総生産(GDP)を予測する「GDPナウ」は3日時点で4〜6月期の成長率が前期比年率で1.8%と、4%を超えていた5月中旬から大きく下振れた。原油など資源価格の下落で、資源・素材関連の銘柄にも売りが出た。
 
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやシスコシステムズ、ユナイテッドヘルス・グループが上昇した。アナリストが目標株価を引き上げたハネウェル・インターナショナルも買われた。半面、ダウとJPモルガン・チェースの下げが目立った。シェブロンとキャタピラーも安かった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比28.377ポイント(0.16%)高の1万6857.047で終えた。エヌビディアやアルファベットが上昇した。
 
 


【シカゴ日本株先物概況】
 
4日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比225円安の3万8425円で終えた。この日は日経平均株価が下落した流れを引き継ぎ、シカゴ市場の先物にも売りが優勢となった。
一方で、NYダウ平均は、雇用関連の指標を背景に米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げを始めるとの期待が高まり、反発した。
 
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38425 ( -325 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38430 ( -320 )
 
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8232.04(-30.71)

4日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続落し、前日比30.71ポイント(0.37%)安の8232.04で終えた。将来的に需給が緩むとの懸念から原油先物相場が下落し、英BPなどエネルギー株に売りが膨らんだ。銅やニッケルなどの先物相場が下げたのを受けて鉱業株も売られた。

FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが7.79%安と下落率トップ。オンライン食品販売大手オカド・グループが7.58%安、金融大手スタンダード・チャータードが5.31%安と続いた。一方、送電大手ナショナル・グリッドが2.91%高、投資会社メルローズ・インダストリーズが2.44%高だった。

 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18405.64(-202.52)

4日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比202.52ポイント(1.08%)安の1万8405.64で終えた。米国をはじめする世界景気の先行き不透明感が改めて意識されて投資家心理が弱気に傾いた。

 

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが5.72%安、防衛大手ラインメタルが3.36%安、保険会社アリアンツが3.25%安と売られた半面、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが2.42%高、香料大手シムライズが1.61%高、ドイツ取引所が1.39%高と買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7937.90(-60.12)

フランスCAC40種指数は0.75%安だった。商品価格の下落が鉱業株やエネルギー株の重荷となり、欧州の株式市場は低迷した。