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777円高と大幅続伸、半導体株が牽引
東京株式(前引け)=777円高と大幅続伸、半導体株が牽引

 
24日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比777円23銭高の3万8329円39銭だった。
きょう前場はリスクオンの流れが加速、日経平均は急騰しフシ目の3万8000円台を大きく回復した。前日の欧米株市場が軒並み上昇した流れを引き継ぎ、主力株を中心に買い戻す動きが鮮明となった。米国ではテスラやエヌビディアをはじめマグニフィセントセブンに位置付けられる銘柄が一斉高となり、東京株式市場でも投資家のセンチメントが改善した。特にここ売り込まれていた半導体セクターのリバウンドが目立つ展開となっている。
 
中東情勢への警戒感が和らいだことで前日の米株式相場が上昇し、東京株式市場でも幅広い銘柄に買いが入った。米ハイテク株高を追い風に電気機器や精密機器、機械などグロース(成長)株の上昇が目立った。
 
23日発表の4月の米購買担当者景気指数(PMI)が前月から低下した。米国のインフレ再加速への懸念を高める結果ではなかったとの見方から米長期金利が低下し、株買いにつながった。半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%高となり、東京株式市場でも東京エレクトロン、アドバンテスト、ルネサスなどが買われ日経平均を押し上げた。
 
米テスラ株の急伸も投資家心理の改善につながった。テスラの2024年1〜3月期決算は売上高や1株利益が市場予想を下回った一方、低価格な新製品の開発などのてこ入れ策を示したこともあり、時間外取引では通常取引終値から10%強上昇した。
「テスラの時間外取引での上昇や米長期金利の落ち着きがハイテク株の見直し買いにつながった。日本株の下落過程で売りを膨らませていた海外短期筋が下げの一巡をみて買い戻している」と指摘した。
 
為替は1ドル154円80銭台でこう着感を強めている。明日25日から26日まで、日本銀行の金融政策決定会合が開催されることから様子見姿勢が強まっているようだ。市場では、発表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」にて、物価見通しの引き上げが行われると見込まれている。サプライズは乏しいとの見方が強いものの、一部では、植田和男日銀総裁が、足元の為替に対する口先介入を行う可能性が浮上。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では「ややタカ派」な会合になると予想されていることで、先んじて植田日銀総裁が円安をけん制する発言を行う可能性はある。後場の東京市場は、為替動向を睨みつつ、3万8000円台での値固めを試す展開となろう。
 


 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは36.45ポイント(1.37%)高の2702.68だった。JPXプライム150指数も続伸し、20.18ポイント(1.76%)高の1169.76で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2856億円、売買高は8億8112万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1125。値下がりは467、横ばいは60だった。
 
 
業種別株価指数(全33業種)は精密機器、電気機器、機械が上昇。下落は電気・ガス業、空運業、陸運業など。
 
 
個別では、東京エレクトロン、ディスコがいずれも商いを伴い大幅高。ソシオネクストも切り返した。トヨタ自動車、日立、HOYA、ダイキンが買われた。ファーストリテイリングも堅調。野村マイクロ・サイエンスはストップ高カイ気配。KOA、ニコンなども値を飛ばしている。
 
半面、前日の取引終了後に2024年3月期決算を発表したニデックが売られ、レゾナック・ホールディングスが大幅安、北海道電力が大きく下げるなど電力株も利食われた。オービックや旭化成は安い。アーレスティは値下がり率トップに売り込まれた。