兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

42円安と反落、米ハイテク株安が重荷
東京株式(前引け)=42円安と反落、米ハイテク株安が重荷
7日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比42円47銭(0.11%)安の3万8661円04銭だった。
 
前日の米株式市場は、エヌビディア<NVDA>など半導体関連株が軟調でナスダック指数は4日ぶりに下落した。これを受け、東京市場も日経平均株価は値を下げてスタートしたが下値には買いが入り一時プラス圏に上昇した。しかし、上値は重く再びマイナス圏に転じ、前日比で140円超安まで売られる場面があったが、その後は下げ渋った。今晩は米5月雇用統計の発表が予定されており、売買を手控える動きも出るなか、方向感に欠ける展開となっている。
 
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.85%安で終えており、アドテストなど値がさのハイテク株に売りが出て日経平均株価を押し下げた。円高・ドル安進行から自動車など輸出株の一角にも売りが出た。
 
ただ、売り一巡後は押し目買いも入り、日経平均は上昇に転じる場面もあった。 岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長は「5月の米雇用統計などイベントを控え上値を追うのは難しいが、日本企業に対する業績期待が消えたわけではなく、積極的に持ち高を減らす理由にも乏しい」とみていた。
 
日経平均は25日移動平均線が位置する3万8602円水準を挟んだもみ合いが継続しており、前場のプライム市場の売買代金は1.7兆円に留まった。米雇用統計前に積極的な売買を手掛ける投資家が少ないことから、後場も同じような地合いが続くと考える。
 
一方、日本銀行の金融政策決定会合を来週に控えていることから、債券市場で思惑的な売買が入る可能性はある。後場の株式市場は債券市場を横目に見た展開となろう。
 
 

東証株価指数(TOPIX)は反落し、前引けは1.21ポイント(0.04%)安の2756.02だった。JPXプライム150指数も反落し、1.37ポイント(0.11%)安の1212.60で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7824億円、売買高は6億5973万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は620。値上がりは948、横ばいは79だった。
 
業種別では、証券・商品先物取引業、医薬品、陸運業、電気・ガス業、銀行業などが下落した一方、非鉄金属、海運業、保険業、化学、鉱業などが上昇した。

個別銘柄では、東京エレクトロンやアドバンテスト、ディスコが安く、三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ自動車、ソニーグループが軟調。塩野義製薬が急落した。KDDI、ダイキンなども安い。
 
半面、空売りファンドに対する反論実施が材料視されてレーザーテックが9日ぶりに上昇し、三井住友フィナンシャルグループや信越化学工業、日東電工、日本郵船がしっかり。また、T&Dホールディングス、SOMPOホールディングスなど保険株も上昇した。