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7日続伸331ドル高、米利下げ期待で
【市況】7日続伸331ドル高、米利下げ期待で

9日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比331ドル37セント(0.84%)高の3万9387ドル76セントで終えた。4月1日以来の高値を付けた。7連騰は昨年12月以来。
米労働省がこの日発表した新規の失業保険申請件数が市場予想を上回る増加を見せ、雇用の逼迫(ひっぱく)が和らぐ兆しが示された。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げを行うとの見方が強まって米長期金利が低下し、幅広い銘柄が買われた。
米金融市場では、景気があまりに強いためにFRBが利下げに踏み切れず、金利の高止まりによる悪影響が広がることへの懸念が強い。このため、失業者の増加といった「悪いニュースが良いニュースとして受け取られる状態」が続いている。
 
9日発表の週間の米新規失業保険申請件数は23万1000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(21万4000件)を上回った。労働市場の過熱感が薄れ、FRBが利下げに動きやすくなるとの観測を誘った。米長期金利が4.4%台半ばと前日終値を下回る水準で推移し、株式の相対的な割高感が薄れた。
 
ダウ平均は午後に上げ幅を広げた。前日までの6営業日で1200ドルあまり上昇し、利益確定売りが出やすい中での株高とあって、市場では投資家の買い意欲が回復しているとの見方が増えている。Bライリーのアート・ホーガン氏は「主要企業の2024年1〜3月期決算が総じて堅調なことが投資家心理を支えている」と話す。
 
ホーム・デポやキャタピラー、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株の上昇が目立ち、ダウ平均を押し上げた。ダウとシェブロン、アムジェンも高かった。
 
半面、セールスフォースとIBMは売られた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、英半導体設計のアーム・ホールディングスが下落した。8日夕に発表した四半期決算と同時に示した業績見通しが慎重と受け止められた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比43.509ポイント(0.26%)高の1万6346.265で終えた。メタプラットフォームズとアルファベットが上昇した。一方、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株の下げが目立った。テスラも安かった。
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
9日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比10円高の3万8435円で終えた。
NYダウ平均は、米労働市場の落ち着きを示す経済指標を背景に早期利下げに対する期待が高まり、7営業日続伸した。
この日は米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ観測が一段と強まって米主要株価指数が上昇し、日経平均先物にも買いがやや優勢となった。

 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38435 ( +395 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38460 ( +420 )
 
( )は大阪取引所終値比
 





【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8381.35(+27.30)
 
9日のFTSE100種総合株価指数は5日続伸し、前日比27.30ポイント(0.32%)高の8381.35で終えた。5日連続で最高値を更新した。英イングランド銀行(中央銀行)が9日公表した金融政策委員会の結果を受け、英国での利下げ開始時期が近づいているとの見方が広がり、投資家心理の支えとなった。

英アングロ・アメリカンなどの資源株に買いが優勢だったほかエネルギー、製薬株も上げた。半面、前日まで買いが目立っていた英HSBCホールディングス株には売りが出た。不動産投資信託(REIT)や空運株も下げた。

FTSEの構成銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカンが3.09%高と上昇率トップ。小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.91%高、オンライン食品販売大手オカド・グループが2.28%高と続いた。一方、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが5.18%安、金融大手HSBCホールディングスが4.15%安と低迷した。

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18686.60(+188.22)

9日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸し、前日比188.22ポイント(1.01%)高の1万8686.60で終えた。前日に続き、最高値を更新した。英国での利下げ観測や、米国でも年後半に利下げが始まるとの見方が、投資家心理を強気に傾けた。

欧州株式市場で欧州主要600社の株価指数であるストックス600は続伸し、終値は前日比0.19%高の516.77と最高値を更新した。

個別では、前日に好決算を公表したエネルギー大手シーメンス・エナジーが3.28%高、電力大手RWEが2.51%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.41%高だった。自動車大手メルセデス・ベンツが5.82%安、保険大手アリアンツが3.76%安だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8187.65(+56.24)

フランスCAC40種指数は0.69%高だった。イングランド銀行(中央銀行)は政策金利を据え置いたものの、政策担当者らが利下げに前向きな姿勢を示したことで、上昇した。