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641円安と反落、急上昇の反動
東京株式(前引け)=641円安と反落、急上昇の反動

 
25日午前の日経平均株価は大幅に反落し、前引けは前日比641円97銭(1.67%)安の3万7818円11銭だった。
 
朝方から売り優勢の地合い。前日の日経平均が907円高と急伸していたため、反動で先物が主導して日経平均は大きく下値を探る展開を強いられた。
前日の米国株市場は主要株価指数が高安まちまちながら、米長期金利の上昇が重荷となっており、東京株式市場でもリスク回避目的の売りがかさんでいる。企業の決算発表が本格化するなか、コンセンサスを下回る決算内容を受けて大型株の一角が値を崩し全体相場にも影響を与えている。外国為替市場では1ドル=155円台半ばまで円安が進んでいるが、これを拠りどころに輸出セクターなどに押し目買いを入れる動きは限られている。日経平均株価は一時700円を超える下げをみせる場面もあった。
 
24日に決算を発表したファナックやキヤノンが大幅安となり、国内企業業績の不透明感が強まった。ファナックは2025年3月期(今期)の減収減益見通しを示し、市場予想平均も下回った。キヤノンは24年1〜3月期の連結営業利益(米国会計基準)が4年ぶりに減益となった。
 
フェイスブックを運営する米メタが現地時間24日に発表した業績見通しが市場予想を下回り、メタ株は同日の時間外取引で一時約2割下落した。日本時間25日午前の取引で米ナスダック100指数の先物が大きく下げ、25日の米株式相場の下落懸念も重荷となった。
 
市場では「前日は米テスラ株の時間外取引における上昇を手がかりに買いが買いを呼び、日経平均は急伸したが、期待先行の面が大きかっただけに、今日はその反動で売りが売りを呼ぶ展開となっている」との声が聞かれた。
 
為替は1ドル155円40銭台まで円安ドル高が進行している。日本銀行の金融政策決定会合が開催されているなか、じりじりとした円安が継続。午前中は、鈴木財務大臣の「市場を注目、適切に対応する」といった発言に留まっており、「過度な急変動」とは言いにくい上昇を受けて、「政府・日銀による円買い介入は実施しにくい」との見方も強まっているようだ。足元の円安推移を株式市場はポジティブに捉えておらず、仮に後場、円安加速という地合いとなった場合、日経平均は昨日の上昇分(907.92円)を全て吐き出す可能性もあるだろう。後場は為替動向に要注意となろう。

 
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは34.00ポイント(1.25%)安の2676.73だった。JPXプライム150指数も反落し、14.87ポイント(1.27%)安の1158.57で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9818億円、売買高は7億9020万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1268。値上がりは339、横ばいは44だった。
 
 
業種別株価指数は33業種すべて下落し、鉱業、輸送用機器、電気機器、機械、精密機器の下落率が大きかった。
 
個別ではレーザーテック、東京エレクトロン、ディスコ、アドバンテスト、信越化など半導体製造装置関連の主力銘柄が安く、ファーストリテイリングも売られた。ソフトバンクグループ(SBG)、トヨタ自動車、中外薬、コマツも値を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも冴えない。キヤノンの下げが目立つほか、メタウォーター、フューチャーは急落した。
 
半面、ルネサスエレクトロニクスが商いを膨らませ上昇、ニデックも頑強な値動き。エーザイやアルプスアルが買われ、ニチレイやヤマトHDも上昇した。オービックも値を上げた。日本航空電子工業が急伸をみせ、大真空も値を飛ばした。