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227円安 短期的な過熱感、利益確定売り
東証プライム市場(前引け)=227円安 短期的な過熱感、利益確定売り

16日午前の日経平均株価は反落し、前日比227円68銭(0.68%)安の3万3292円02銭で前場を終えた。
 
きょう前場は広範囲に利益確定の売りが広がり、日経平均は下値を試す展開となった。前日の米株市場でNYダウは上昇したものの、ナスダック総合株価指数は一時マイナス圏に沈むなど上値の重い展開で、きょうの東京株式市場も足もとで買いが手控えられている。前日に日経平均は800円を超える今年最大の上げ幅で3万3500円台まで水準を切り上げたが、バブル後最高値の3万3753円を前にして急ピッチで上昇した反動も警戒されやすい。ここ相場を牽引してきた半導体関連は高安まちまちで、小売関連株に売りが目立つ。
 
日経平均は上昇する場面もあった。前日の米株高を背景に買いが入った。前日に比べて円安・ドル高が進み、輸出関連を中心に支援材料となったほか、米長期金利の上昇などで銀行株も買われた。
 
アドバンテス、東エレク、ファーストリテなど日経平均の寄与度が大きい銘柄が昨日の大幅上昇の反動から本日は下げに転じており、前場は冴えない展開となった。日経平均はさすがに昨日800円超えと今年最大の上げ幅を見せたことから、反動で利益確定売りが出やすい状況だったとみられる。なお、昨日は10月訪日外客数が2019年同月比で0.8%増となりコロナ禍前を上回ったが、インバウンド関連銘柄は既に業績回復を織り込んだ株価水準になっており特段物色された様子はなかった。
 
4日の米国消費者物価指数につづき、昨日の生産者物価指数、小売売上高などの経済指標発表は米国経済がソフトランディングするという確信を高める結果となっており、投資家のリスクオン姿勢が強まりやすい状況とみられる。後場も動きが遅れている中小型株中心に物色がさかんになりそうだ。一方で日経平均が小幅の下落にとどまるか注目したい。

 
 
 
東証株価指数(TOPIX)が8.52ポイント安の2364.70と反落。JPXプライム150指数も反落し、前引け時点で3.32ポイント(0.32%)安の1047.30だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8754億円、売買高は7億2420万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1267と、全体の8割弱を占めた。値上がりは354、変わらずは38銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、小売業、証券・商品先物取引業、パルプ・紙の下落が目立った。上昇はサービス業、銀行業など。
 
 
個別では、半導体関連の東京エレクトロン、アドバンテストが利益確定売りに押され、ファーストリテイリングも軟調。三菱重工業が売られ、ソニーグループも冴えない。メドレー、ベースが急落、エムアップホールディングスなどの下げも目立った。
 
半面、レーザーテック、ルネサスエレクトロニクスなどが買われ、リクルートホールディングスは商いを伴い大幅高。ソフトバンクグループもしっかり。三菱UFJ、トヨタ、キーエンスが値を上げ、信越化学工業も堅調。ジャパンベストレスキューシステム、野村マイクロ・サイエンス、サムコも値を飛ばした。