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上値の重い展開か。

上値の重い展開か。
 
29日の日経平均株価は4日続落。終値は前日比260円安の2万2397円で、今月10日以来、約半月ぶりの安値となった。4−6月決算が本格化するなか業績が悪化した銘柄などを中心に売りが強まった。
円相場が一時1ドル=104円台に入るなど円高進行を嫌気した売りも広がっている。米国株も下げるなど市場には買い材料が日に日に乏しくなっている印象だった。
 
決算が失望を誘った銘柄がたたき売られた。キヤノンの下げをみてコニカミノルタやリコーなど複合機関連が軒並み安。一部地域の店舗閉店を発表したラオックスが大幅安となり、インバウンド需要の落ち込み懸念から資生堂やコーセーなど化粧品株も大きく売られた。全体の地合いが良くない中、1Q大幅増益の東京エレクトロンや、上方修正を発表したサイボウズは買いが先行したにもかかわらず結局下落で終えるなど、業績好調銘柄の上値も抑えられた。
 
あす30日の日経平均株価は、上値の重い展開か。
20年4−6月期決算発表が本格化するなか、警戒感が膨らみつつある。
厳しい内容の決算や業績見通しが目立ち、「決算悪銘柄がどんどん出てくるようだと下も考える必要がありそうだ」との声が聞かれた。
 
今晩のFOMCやパウエル議長発言が米国株の反転材料となるならば、あすはきょうの下げ分を一気に取り戻す展開も期待できる。ただ、きょうの下げで節目の2万2500円を大きく下回った上に、25日線(2万2528円、29日時点)も割り込んだことから、センチメントの悪化が警戒される。FOMCが米国株の売り材料となった場合には、短期的には鋭角的な下げがあるかもしれない。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(29日現在)
 
23261.61  ボリンジャー:+3σ(25日)
23017.18  ボリンジャー:+2σ(25日)
22995.53  ボリンジャー:+1σ(26週)
22907.56  ボリンジャー:+1σ(13週)
22795.40  均衡表雲上限(週足)
22772.75  ボリンジャー:+1σ(25日)
22687.28  6日移動平均線
22665.95  均衡表転換線(日足)
22528.33  25日移動平均線
22467.58  均衡表基準線(日足)
 
22397.11  ★日経平均株価29日終値
 
22357.84  均衡表転換線(週足)
22283.90  ボリンジャー:-1σ(25日)
22113.36  均衡表雲下限(週足)
22039.47  ボリンジャー:-2σ(25日)
21972.65  均衡表雲上限(日足)
21952.15  200日移動平均線
21929.62  13週移動平均線
21795.05  ボリンジャー:-3σ(25日)
21530.95  新値三本足陰転値
21409.41  75日移動平均線
 
ローソク足はマドを空けて陰線を引き、終値は7月10日以来の25日線割れとなった。25日線が下降を開始し、5日線が下降角度を増したこともあり、売り圧力の強まりが窺える。
一目均衡表でも転換線が下降し、遅行線は弱気シグナルを発生し、形勢は弱気側に傾いた。ボリンジャーバンドでは、-2σから+2σまでの各線の間隔が狭まる5本線収束が進んでおり、下放れリスクにも留意が必要だろう