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NYダウ125ドル安、トルコ情勢への懸念
【市況】NYダウ125ドル安、トルコ情勢への懸念
13日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前週末比125ドル44セント安の2万5187ドル70セントと7月下旬以来3週間ぶりの安値で終えた。
 
トルコと米国の関係が急速に悪化する中、前週には米政府の対トルコ制裁関税引き上げをきっかけにトルコ・リラが急落。トルコの通貨・経済危機に対する不安が世界的に広がったが、この日のダウは、過度の懸念が後退したため買いが先行して始まった。トルコ中央銀行が、金融市場の安定に向け流動性を供給する方針を発表したことも投資家の懸念を和らげた。
 
しかし、トルコのエルドアン大統領は同日、米政府の関税引き上げ措置を「戦略的パートナーを裏切ろうとしている」などと批判し、徹底抗戦する構えを示した。エルドアン大統領の強硬な態度表明を受け、市場ではトルコの政治・経済の混乱に対する懸念が再燃。リラ売りの加速を眺め、米株市場も中盤以降、リスク回避ムードに転じた。
 
米株式市場ではダウ・デュポンやエクソンモービル、JPモルガン・チェースなど素材やエネルギー、金融など景気敏感株を中心に売りが優勢となった。
 
今週は夏季休暇を取る市場関係者が多い。13日は重要な米経済指標や米主要企業の業績の発表などの材料が少なく、積極的な取引が見送られるムードが強かったという。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、同19.404ポイント安の7819.706で終えた。トルコ情勢への警戒感から売りが優勢だったが、アナリストが強気の業績見通しを示したアマゾン・ドット・コムなど主力株の一角が買われ、指数を支えた。
 
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や食品・生活必需品小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や耐久消費財・アパレルが下落した。
 
個別銘柄は、オートバイメーカーのハーレー・ダビッドソン(HOG)は、生産拠点を欧州に移転する方針を示しているが、トランプ大統領が同社製品の不買運動を支持するツイートを行い下落。アパレルのVFコープ(VFC)は、ジーンズ事業の分離を検討していることを明らかにして下落した。
一方で、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は、空売り専門の調査会社シトロン・リサーチが目標株価を引き上げ上昇。電気自動車のテスラ(TSLA)は、マスクCEOが株式非公開化に向けた資金確保の発言は、サウジアラビアの政府系ファンドとの交渉が背景にあったことを明らかにし買われた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,187.70−125.44
S&P500種
2,821.93−11.35
ナスダック
7,819.706−19.404
 
米10年債利回り(%)
2.8804 +0.021
米2年債利回り(%)
2.6165 +0.016
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,198.90−20.10
NY原油(ドル/バレル)
67.38+0.18
円・ドル
110.72 - 110.73+0.54
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。
9月物は前週末比145円安の2万2035円で終えたが、大阪取引の終値は145円上回った。トルコ情勢の先行き警戒感を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、米株とともに売られた。トルコ情勢の米景気への影響は限定的との見方があるが、積極的な買いは限定的だった。
この日の9月物の安値は2万1825円、高値は2万2150円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22035 ( +145 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22050 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7642.45(−24.56)
FTSE100種総合株価指数はトルコ通貨危機を受けて3日続落した。前週末10日の終値に比べ24.56ポイント安の7642.45で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
 
午前は幅広い銘柄が下落し、下げ幅は一時50ポイントを超える局面もあったが、そのあとはトルコ情勢をめぐる過度な警戒感がやや後退し、午後にかけて下落幅は縮小した。主力の鉱業株の一角が上昇に転じたことも指数を下支えした。
 
主な個別銘柄では、旅行代理店大手トゥイが2.5%安で下落率トップ。トルコ情勢の混乱が観光業にも及ぶとの思惑から安くなった。
賭け屋大手パディー・パワー・ベットフェアーが1.9%安、同GVCホールディングスも1.8%安とギャンブル関連株が軟調だった。
ドイツの医薬・農薬大手のバイエルの大幅下落が波及した。キングフィッシャーなど小売株やスーパーマーケット株、不動産関連株など内需株への売りも目立った。
 
半面、ロシア鉄鋼大手エブラズが2.1%高で上昇率トップ売りが先行していたアングロ・アメリカンとリオ・ティントが上昇に転じた。保険のアドミラル・グループは1.6%高、とダイレクトライン・インシュアランス・グループは1.5%高、そろってアナリストが目標株価を引き上げたことで上昇した。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12358.74(−65.61)
ドイツ株式指数(DAX)は続落。終値は前週末10日と比べて65.61ポイント安の12358.74だった。
医薬・農薬大手のバイエルが10%超安と急落した。子会社のモンサントが販売する除草剤の発がん性をめぐる米国の裁判で巨額の支払いを命じる評決が下されたことで売りが膨らんだ。前週末に続いて銀行株も安かった。
一方、ドイツ取引所とITのSAPなどが上げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5412.32(−2.36)