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ダウ小反発69ドル高、ナスダックは最高値更新
【市況】ダウ小反発69ドル高、ナスダックは最高値更新

10日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比69ドル05セント(0.17%)高の3万8868ドル04セントで終えた。
週内に米連邦公開市場委員会(FOMC)と5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、投資家の様子見姿勢が強かった。積極的な売買を手控える雰囲気があるなか、個別に材料が出た銘柄やハイテク株の一角が買われ、ダウ平均を支えた。
 
FOMCでは政策金利が据え置かれる公算が大きく、会合参加者が示す金利見通しが焦点。年内利下げ想定回数は3月時点の3回から2回に減少するとの観測がある。金融引き締めが当面続くとの見方を背景に、ダウはマイナス圏に沈む場面もあったが、「年内には利下げが始まる」(市場参加者)との期待が相場を支えた。
 
12日には5月のCPIも発表される。前週末発表の5月の米雇用統計で雇用者数と賃金の伸びが市場予想を上回り、FRBが利下げを急がないとの見方が再び広がった。「足元のインフレ動向を確かめたい」との声があった。10日は主要な経済指標の発表もなく、積極的な売買は見送られやすかった。
 
そのなかで、アナリストが投資判断を引き上げたウォルマートとハネウェル・インターナショナルが買われた。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなど主力ハイテク株の一角のほか、ホーム・デポやウォルト・ディズニー、ユナイテッドヘルス・グループも高かった。
 
ダウ平均は下げる場面もあった。年次開発者会議(WWDC)を10日に開いたアップルは2%近く下げた。ビザやマクドナルド、ナイキも売られた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比59.403ポイント(0.34%)高の1万7192.529で終えた。5日以来となる過去最高値を更新した。10日から株式分割後の株価で取引が始まったエヌビディアが上昇した。ブロードコムやマイクロン・テクノロジーなどの半導体株も買われた。一方、アナリストが投資判断を引き下げたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は売られた。
 
S&P500種株価指数も3営業日ぶりに反発した。前週末比13.80ポイント(0.25%)高の5360.79で終え、5日以来となる最高値を更新した。
 



【シカゴ日本株先物概況】
 
10日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比535円高の3万9185円で終えた。ナスダック総合株価指数が最高値を更新するなど米株式相場が上昇。日経平均株価も反発して終えており、シカゴ市場の先物には買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39185 ( +185 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39185 ( +185 )

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】


 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8228.48(-16.89)
 
10日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前週末比16.89ポイント(0.20%)安の8228.48で終えた。9日まで実施された欧州議会選挙の結果などを踏まえ、欧州の政治情勢が不安定になりかねないとの警戒感が投資家心理を冷やした。フランスで国民議会(下院)の解散などが決まったのを受けてフランスの株式相場が下落し、英国やドイツの株式相場にも売りが波及した。

一部金融機関が小幅ながら目標株価を引き下げた蒸留酒大手ディアジオの株価下落が目立った。英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も含め、飲食料品・たばこ株が下げた。英ユニリーバなど日用品関連や、銀行・保険株にも売りが優勢だった。一方で英BPなどエネルギー株の上昇は指数を下支えした。

FTSEの構成銘柄では、有害生物管理会社レントキル・イニシャルが2.87%安、生命科学分野などの専門的商品・サービスを提供するディプロマが2.85%安、自動車保険のアドミラル・グループが2.67%安と下げを主導。
一方、金融大手M&Gは2.37%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは1.77%高、石油大手BPは1.76%高となった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18494.89(-62.38)

10日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比62.38ポイント(0.33%)安の1万8494.89で終えた。9日まで実施された欧州議会選挙で極右や右派など欧州連合(EU)に懐疑的な勢力が伸長したことなどを受けて政治情勢が不安定になりかねないとの警戒感が広がり、ドイツやフランスの株式市場では運用リスクを回避する目的の売りが優勢となった。

電力など公益株に売りが膨らんだ。銀行や保険株、消費関連の銘柄にも売りが優勢だった。他方、自動車やヘルスケア関連の一部銘柄には買いが入った。10日の米株式相場の底堅い推移は、投資家心理を支えた。

個別では、高級車メーカーのポルシェが2.79%安、製薬大手バイエルが2.19%安、電力大手RWEが1.67%安と売られた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.36%高、航空機エンジン大手MTUエアロは2.06%高、医療機器のザルトリウスは1.84%高で取引を終えた。

 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7893.98(-107.82)

議会の解散・総選挙が急きょ決まったフランスの主要な株価指数であるCAC40は続落し、前週末比107.82ポイント(1.34%)安の7893.98と2月下旬以来の安値水準で終えた。

仏ソシエテ・ジェネラルが同7%あまり下げて終えるなど銀行株の下げが目立った。