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162ドル高と続伸、テスラ株高が支え ナスダックは最高値
【市況】162ドル高と続伸、テスラ株高が支え ナスダックは最高値


2日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比162ドル33セント(0.41%)高の3万9331ドル85セントで終えた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は2日、ポルトガルで開かれた欧州中央銀行(ECB)主催の会合に参加し、直近の経済指標を踏まえ、「インフレ鈍化の道に戻っている」と指摘した。具体的な利下げ時期は言及しなかったものの、発言内容が金融緩和に前向きな「ハト派」と受け止められ、利下げ期待が台頭。相場にプラスに働いた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、四半期の販売台数を発表したテスラが大幅高となった。他のハイテク株にも買いが波及し、米株相場を押し上げた。

テスラは10.1%高で終えた。2日に発表した2024年4〜6月期の世界販売台数は前年同期を下回ったものの、市場予想ほどは悪化しなかった。販売動向が市場の警戒ほど低調ではないとして見直し買いが膨らんだ。買いは他のハイテク株にも広がり、ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムとアップルの上昇が目立った。

米債券市場では長期金利が4.4%台前半に低下(前日終値は4.46%)した。前日までの金利高の流れが一服し、株式の相対的な割高感が薄れたのも主力株への買いを誘った。

一方、米労働省が2日公表した5月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は前月比22万1000件増の814万件と、市場予想を上回った。雇用情勢の底堅さからFRBによる金融引き締めの長期化観測が一部で浮上。相場の上値を抑えた。

また、4日は独立記念日で休場となる。3日の米株式市場は短縮取引となり、連休を取る市場関係者も多いとみられる。積極的な売買を手控える雰囲気もあり、ダウ平均の上げ幅は限られた。

ダウ平均の構成銘柄ではビザやJPモルガン・チェース、IBMも上昇した。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやナイキは下げた。マクドナルドとボーイングにも売りが出た。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比149.463ポイント(0.83%)高の1万8028.763で終えた。連日で最高値を更新し、初めて1万8000台に乗せた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やアルファベットが上昇した。

S&P500種株価指数は前日比33.92ポイント(0.61%)高の5509.01で終えた。6月18日以来の最高値更新で、終値では初めて5500台に乗せた。

 



【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比730円高の4万0260円で終えた。この日は日経平均株価が上昇し、米ナスダック総合株価指数が連日で過去最高値をつけるなど米株式相場も上げた。投資家心理が強気に傾き、シカゴ市場の先物も買い優勢となった。
 

シカゴ日経225先物 (円建て)

40260 ( +150 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)

40305 ( +195 )

( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 8121.20(-45.56)

2日のFTSE100種総合株価指数は下落し、前日比45.56ポイント(0.55%)安の8121.20で終えた。英アストラゼネカなど製薬株が下げ、指数を下押しした。英スタンダードチャータードなど銀行株にも売りが優勢だった。

製薬株の下落は、バイデン米大統領らが米紙USAトゥデーで肥満症などの治療薬について価格の高さを批判し、価格引き下げを求めたことが材料となった。2日の米株式市場で米イーライ・リリー株が、欧州株式市場ではノボノルディスク(デンマーク)株が下げ、英製薬株にも売りが波及した。一方で、原油先物相場の上昇を背景に、英BPなどエネルギー株は上昇した。

FTSEの構成銘柄では、ハリケーンの影響で保険会社ビーズリーが5.24%安と下落率トップ。通信大手BTが2.94%安、業績見通しを維持した流通大手セインズベリーが2.87%安と続いた。一方、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは1.98%高、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは1.54%高だった。

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 

DAX 18164.06(-126.60)

2日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比126.60ポイント(0.69%)安の1万8164.06で終えた。フランスの政治や財政を巡る過度な懸念が和らいだことで前日に上昇したものの、買いは続かなかった。

個別では、カリブ海地域でハリケーンが勢力を強めていると伝わるなか、ハノーバー再保険(3.40%安)やミュンヘン再保険(3.26%安)が下げた。高級車メーカーのポルシェ(1.76%安)が売られた半面、送配電事業での設備投資を増やすのに伴い、1万人あまりを採用する方針だと伝わり、エネルギー大手シーメンス・エナジー(3.77%高)が買われた。航空機エンジン大手MTUエアロ(3.38%高)も買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数

CAC40 7538.29(-22.84)

フランスCAC40種指数は0.30%安だった。週末に控えるフランス総選挙の第2回投票や、ユーロ圏のサービス価格インフレ率の高止まりに対する懸念が出て、株価は低迷した。