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NYダウ、最高値更新、米中協議進展期待
【市況】NYダウ、最高値更新、米中協議進展期待

7日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比182ドル24セント(0.7%)高の2万7674ドル80セントと2日ぶりに過去最高値を更新した。
 
中国商務省の報道官はこの日の記者会見で、米中両政府が「協議の進み具合に合わせ、追加関税を段階的に撤廃することに同意した」と表明。これを受け、株などのリスク資産を買う動きが広がった。一方、取引終盤に米政権内で関税撤廃への批判が出ていると報じられると、ナスダックやS&P500種指数は上げ幅を縮小した。
 
中国売上高比率が高い化学のダウや航空機のボーイング、建機のキャタピラーが上昇した。
6日夕に四半期決算と同時に前向きな業績見通しを示した半導体のクアルコムが急伸。半導体は中国が主要市場なこともあり、マイクロン・テクノロジーなど同業株全般に買いが広がった。
 
株価は米中協議の進展期待に加え、1日に発表された米雇用統計で労働市場の底堅さが示されたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)による3会合連続の利下げ、7〜9月期決算で主要企業の大半が市場予想を上回ったことなどを支えに、連日最高値を更新している。
 
相対的に安全な資産とされる米国債が売られ、米長期金利が大きく上昇した。利ざや改善を見込んでゴールドマン・サックスなど金融株も総じて買われた。原油先物相場が上昇し、エクソンモービルなど石油株も上げた。ダウ平均の上げ幅は一時282ドルに達した。
 
ただ、ダウ平均は引けにかけて上げ幅をやや縮めた。ロイター通信が7日午後に「中国製品に対する追加関税の撤廃について、ホワイトハウス内で猛烈な反対が出ている」と報じ、売りを誘ったとの指摘があった。
 
ナスダック総合株価指数は同23.888ポイント高の8434.516で終えた。アップルやアルファベットなど主力株の一角が買われた。S&P500種株価指数は3日ぶりに過去最高値を更新した。終値は8.40ポイント高の3085.18だった。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,674.80+182.24
S&P500種
3,085.18+8.40
ナスダック
8,434.516+23.888
NY金(ドル/トロイオンス)
1,466.40−26.70
NY原油(ドル/バレル)
57.07+0.72
円・ドル109.30 - 109.31+0.35


 

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比235円高の2万3535円で引けた。
米中貿易摩擦の解決に楽観的な見通しが出てきたことを背景に、米国株が上昇したことをはやし、日本株先物にも買い安心感が広がった。
この日の高値は2万3650円、安値は2万3250円だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23535 ( +175 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23550 ( +190 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7406.41(+9.76)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら5日続伸した。前日の終値に比べ9.76ポイント高の7406.41で引けた。終値ベースで9月下旬以来、約1カ月半ぶりの高値水準で引けた。ドイツなど欧州大陸の株高が英国市場にも及んだ。
米中貿易協議の進展期待を背景に、株価は終日プラス圏で推移した。ただ、ポンド安も重なったにもかかわらず、英国株の鉱業株と銀行株の一角が売りに転じ、上値は重かった。
指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
 
個別銘柄では、保険のRSAインシュアランス・グループが高かった。営業利益が増益との発表を材料に買いが集まった。住宅建設のパーシモンも下半期の業績は上半期を上回るとの見方を示したことで上昇した。他の銘柄にも買いが広がり、住宅建設株は全銘柄が上げた。
 
一方で、利益確定目的の売りで銀行のロイズ・バンキング・グループや鉱業のリオ・ティントなどが売りに転じた。保険のヒスコックスが大幅に下落した。一時18%近く下げる場面があった。複数のアナリストが目標株価や投資判断を引き下げたことが響いた。ヒクマ・ファーマシューティカルズをはじめ医薬品株は軒並み下落した。金相場安を受けてフレスニージョなど関連株の下げが目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13289.46(+109.57)
ドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日と比べて109.57ポイント高の13289.46と、連日で2018年1月下旬以来、約1年9カ月ぶりの高値水準(終値ベース)を更新した。
中国商務省が7日、米国との貿易協議で発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したとの発表を受けて投資家心理が改善した。
 
個別では、四半期決算が予想を上回ったことで航空のルフトハンザが大幅上昇した。米中交渉が合意に向かっているとの期待から自動車株も上げた。
一方で軟調な四半期決算内容が嫌気されハイデルベルクセメントが安かった。電力株も売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5890.99(+24.25)
フランスの株価指数CAC40が07年7月以来、約12年3カ月ぶりの高値で更新した。