兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

反発1ドル高、利上げ観測の後退
【市況】反発1ドル高、利上げ観測の後退

17日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比1ドル81セント高の3万4947ドル28セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が相場を支えた。半面、前日にかけ大きく上昇した反動で利益確定売りも出た。
 
来週以降、感謝祭翌日の「ブラックフライデー」など年末商戦が始まる。これまで底堅さを保ってきた米国の消費に陰りが出ているとの指摘もある中、市場では「消費の状況を見極めたい」との声が聞かれた。
 
サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は17日の講演で、経済見通しの不確実性を踏まえてFRBは「待つという大胆さ」が必要だと述べ、追加利上げに慎重な姿勢を示した。金融引き締めが米景気を冷やすとの警戒感が後退し、株買いを誘った。
 
米債券市場では長期金利が4.4%台前半と、前日終値(4.43%)とほぼ同水準で推移。未明には一時4.37%とおよそ2カ月ぶりの低水準を付けた。今週は10月の米消費者物価指数(CPI)など物価指標がインフレの鈍化を示し、長期金利が低下傾向にある。株式の相対的な割高感が薄れたのも相場を押し上げた。
 
ただ、ダウ平均の上値は重かった。今月のダウ平均は前日までに1900ドル弱上昇し、短期的な過熱感が意識された。心理的節目の3万5000ドル近辺では利益確定売りが出た。ボストン連銀のコリンズ総裁が米CNBCのインタビューで「追加利上げは選択肢から外していない」との認識を示したのも相場の重荷だった。
 
ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、建機のキャタピラーが上昇した。半面、ソフトウエアのマイクロソフトとスポーツ用品のナイキは下げた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に4日続伸した。前日比11.808ポイント(0.08%)高の1万4125.481と8月上旬以来の高値で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。
 



【シカゴ日本株先物概況】
 
17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比125円高の3万3530円で終えた。同日の日経平均株価が4カ月半ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が投資家心理を支え、米株式相場は小幅ながらも上昇。日経平均先物にも買いが波及した。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33530 ( -70 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
33540 ( -60 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

17日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日に比べ93.28ポイント(1.25%)高の7504.25で終えた。17日発表の10月の英小売売上高が市場予想より弱い内容だったのを受け、英イングランド銀行(中央銀行)による追加利上げ観測が後退し、株式相場を支えた。前日、原油先物相場の下落を背景に下げが目立っていた英シェルなどエネルギー株が買われた。

FTSの構成銘柄では、9割超で買われた。金融大手スタンダード・チャータードが4.73%高と上昇幅トップだったほか、複合企業DCCが3.48%高、金融大手ナットウエストが3.44%高と続いた。一方、航空・防衛大手BAEシステムズは0.61%安、日用品・食品大手ユニリーバは0.51%高だった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数

17日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日比132.55ポイント(0.83%)高い1万5919.16と8月末以来、約2カ月半ぶりの高水準となった。17日発表のユーロ圏の物価統計が、インフレの鈍化基調を裏付ける内容と受け止められた。米連邦準備理事会(FRB)とともに欧州中央銀行(ECB)も追加利上げには動かないだろうとの観測が、投資家心理を支えた。

業種別では、不動産や金融が上昇した。DAX指数の40ある構成銘柄のうち、34銘柄が上昇した。

個別では、8割強が上昇した。エネルギー大手シーメンス・エナジー(7.55%高)やドイツ銀行(2.63%高)、ハノーバー再保険(2.15%)が買われた半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(1.12%安)や素材化学大手コベストロ(1.03%安)が売られた。



■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.91%高(週間1.69%高)
利下げ観測による押し上げがあったほか、金融やヘルスケア株が好調だった。