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606円高と反発、米ハイテク株高追い風
東京株式(前引け)=606円高と反発、米ハイテク株高追い風

 
9日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比606円10銭(1.49%)高の4万1386円80銭だった。
 
きょう前場は朝方から広範囲に買いが優勢でスタート、その後も日経平均は先物主導で上値指向を強めた。空売りの買い戻しなどが全体相場に押し上げ効果をもたらしているもようで、前引けは600円強の上昇で8日に付けた取引時間中の最高値(4万1112円24銭)を上回った。
8日の米株式市場では米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測の強まりを背景に、S&P500種株価指数と、ナスダック総合株価指数が連日で過去最高値を更新した。半導体関連などをはじめハイテク株に買いが顕著だったことで、投資家心理が強気に傾き、外国為替市場で一時1ドル=161円台まで円安が進んだことなども追い風材料となった。
 
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も大幅高となった。きょうの東京市場では東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連のほか、ソニーGや日立といった電気機器セクターが買われ、日経平均を押し上げた。
 
週内は上場投資信託(ETF)による分配金捻出に絡んだ売りへの警戒もあるが、市場関係者は「足元の円安基調を支えに企業業績の上振れ期待が高まっており、下落場面は買い場と捉える投資家が増えている」と指摘。さらに「株価の上昇に出遅れまいとする投資家の買いが買いを呼ぶ『FOMO(Fear Of Missing Out=取り残される恐怖感)』の様相が強まっている」とも話していた。
 
為替は1ドル161円前後と前日比では円安ドル高で推移している。日本株上昇を受けて、投機筋がリスクオンの円売りを積み上げているとの観測。後場の東京市場は引き続き半導体株が日経平均をけん引しそうだ。今晩、パウエルFRB議長の議会証言が控えていることから、日経平均やTOPIXの後場一段高は難しいと考えるが、日経平均が終値ベースで史上最高値をしっかりと更新できるかに注目したい。
 


 

東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは17.76ポイント(0.62%)高の2885.37だった。JPXプライム150指数も反発した。
 
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆572億円、売買高は8億3522万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は990。値下がりは590、横ばいは64だった。
 
 
業種別では、電気機器、非鉄金属、精密機器、化学、情報・通信業などが上昇した一方、鉱業、海運業、ゴム製品、輸送用機器、銀行業などが下落した。
 
 
個別では、米特殊ガラス企業のコーニンングが4-6月期業績見通しを上方修正したことが材料視されて、フジクラ、古河電工が買われた。また、半導体後工程の開発や評価に取り組む日米10社の企業連合を設立が刺激材料となり、レゾナックHD、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、スクリーンHD、ディスコなど半導体関連も上昇。
日立製作所、キーエンス、ファーストリテイリングも買いを集めた。フジクラが急騰、ウェザーニューズも値を飛ばした。デサント、芝浦メカトロニクスなどが大幅高、日本ヒュームも高い。
 
半面、売買代金トップの三菱重工業は利益確定売りに押され、トヨタ自動車、SUBARU、マツダ、日産自、ホンダ、三菱自動車など自動車関連が売られた。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも冴えない。ソシオネクストも売りが優勢。U-NEXT HOLDINGSが大幅安、SGホールディングスも大きく値を下げた。デンカ、横浜ゴム、日立建機がさえない。