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小幅高、円安を好感も利益確定売り
東京株式(前引け)=小幅高、円安を好感も利益確定売り

6日午前の日経平均株価は続伸した。前日比11円84銭高の2万3263円83銭で前場を終えた。
前日のNYダウが連日の最高値に買われたことや、外国為替市場で1ドル=109円台に入る円安方向に振れたことなどを手掛かりに朝方は買いが先行した。
日経平均の前日比の上げ幅は100円に迫った。5日発表の10月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が前月比で改善し、米景気の減速懸念が後退したことも投資家心理の好転につながった。
 
しかし、目先過熱感からの利益確定売りで日経平均はマイナス圏に沈む場面もあった。
日経平均は前日に400円超急伸していたことで、買い一巡後は利益確定売りに押されて一時は下げに転じた。前日終値(2万3251円)を挟んで一進一退となる場面が目立った。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。
 
市場関係者は「先行したハイテク株などが下落する一方で、高配当で割安感のあるバリュー株は堅調だ。乗り遅れた投資家を中心に買い意欲は強い」と指摘。相場は底堅いと分析していた。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1526億円、売買高は6億8537万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は840と、全体の約4割にとどまった。値下がりは1208、変わらずは105銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、パルプ・紙、鉄鋼、非鉄金属の上昇が目立った。下落は情報・通信業、精密機器、食料品など。
 
個別では、ファーストリテイリングが高く、アドバンテストも堅調。シャープが物色人気となったほか、アンリツもしっかり。住友商やJFEが上昇し、三菱ケミHDや楽天が高い。
米長期金利の上昇を受けてT&Dや三菱UFJなど金融株の上げも目立った。シグマクシスが値上がり率トップに買われた。2019年4〜9月期の連結営業利益が前年同期比2割増になったようだと伝わった三越伊勢丹が高く、三浦工業も値を飛ばした。
 
半面、任天堂が軟調、NTTやスズキの下げも目立った。富士フイルムやHOYAが下落し、旭化成やキーエンスが売られ、東京エレクトロンも売りに押された。19年12月期の純利益見通しを下方修正したアサヒグループホールディングスが大きく値を下げた。日本ライフライン、日本光電などが急落した。
 
 
東証2部株価指数は前日比28.30ポイント安の6813.13ポイントと反落した。
出来高7321万株。値上がり銘柄数は190、値下がり銘柄数は197となった。
 
個別では赤阪鐵工所、リテールパートナーズが年初来安値を更新。明豊ファシリティワークス、オリジナル設計、三社電機製作所、ショクブン、イトーヨーギョーは値下がり率上位に売られた。
 
 一方、松尾電機が一時ストップ高と値を飛ばした。ダイナックホールディングス、アヲハタ、トリニティ工業、宇野澤組鐵工所、要興業など8銘柄は年初来高値を更新。ユーピーアール、フュートレック、東京衡機、石井表記、プレミアムウォーターホールディングスが買われた。