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ダウ続伸737ドル高、FRB議長講演受け
【市況】ダウ続伸737ドル高、FRB議長講演受け


30日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比737ドル24セント(2.2%)高の3万4589ドル77セントと4月21日以来の高値で終えた。ダウ平均は月間では2カ月連続で上昇し、上げ幅は1856ドル(5.7%)となった。

この日午前はパウエル議長の発言を控えて警戒感が広がる中、ダウは軟調に推移。議長が午後の講演で12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げペース減速の可能性を示すと、買いが優勢な展開に転じた。

予想以上に積極的な利上げ姿勢への警戒感も後退し、米長期金利が低下したのを眺めて割高感が意識されやすいハイテク株が大幅に上伸。パウエル議長講演後のダウは上げ基調を維持した。ナスダックは約4.4%高と急伸した。

パウエル議長は「利上げペースの減速時期は早ければ12月の会合になる」と述べた。金融政策が景気や物価に与える影響の時間差を考慮し、利上げは続けるもののペースは緩めていく考えを示した。最近のFRB高官のタカ派発言を受けて、市場では議長が金融引き締め姿勢を強調するとの警戒感があっただけに株式の買い直しを促した。

利上げ減速期待から米長期金利が一時3.6%台前半と前日終値(3.74%)から低下した。長期金利の低下局面で買われやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が軒並み急伸し、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースが大幅高。クレジットカードのビザや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も買われた。

パウエル議長の講演前には売りに押される場面が目立ち、ダウ平均は昼過ぎに268ドル安まで下げる場面があった。講演後に安値から1000ドル強上昇したことになる。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比484.217ポイント(4.4%)高の1万1467.996と9月19日以来の高値で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラが大きく上げた。

ナスダック指数は11月月間では4.4%上昇した。




【シカゴ日本株先物概況】

11月30日のシカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比380円高の2万8370円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げペース減速を示唆したのを受け、大幅続伸した。同日の米株式相場が大幅上昇し、日経平均先物の買いを誘った。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28370 ( +330 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28375 ( +335 )
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7573.05(+61.05)
30日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ61.05ポイント(0.81%)高の7573.05で引けた。中国が新型コロナウイルスの感染を抑え込む「ゼロコロナ政策」を緩和するとの期待を背景に、原油や非鉄金属など商品相場が上昇。エネルギー株と資源株に買いが入った。構成銘柄の約6割が上昇。
 
個別では、資源株を中心に買われ、鉱業大手アングロ・アメリカンが3.6%高、産銅大手アントファガスタが3.3%高、産金大手エンデバー・マイニングが2.6%高となった。一方、不動産大手ブリティッシュ・ランドは2.6%安、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループは2.5%安、流通大手テスコは2.4%安と売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14397.04(+41.59)
30日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日に比べ41.59ポイント(0.29%)高の1万4397.04で終えた。中国の新型コロナウイルス感染を封じ込める「ゼロコロナ政策」が緩和されるとの期待から、世界景気に対する過度な警戒感が和らいだ。自動車や小売りなど消費関連株が買われた。
 
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズと商用車大手ダイムラー・トラックが3.0%高、ドイツ取引所が2.0%高、自動車大手BMWが1.8%高となった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6738.55(+69.58)
フランスCAC40種指数は1.04%高だった。欧州中央銀行(ECB)の利上げペースが減速するとの見方も相場の支援材料となった。