205ドル安、景気の先行きに懸念
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【市況】205ドル安、景気の先行きに懸念 |
28日のNYダウ工業株30種平均は前日比205ドル49セント安の2万6379ドル28セントと反落で終えた。市場予想を下回る四半期決算を発表した銘柄が売られ、相場の重荷になった。追加の米経済支援策を巡る米議会の協議が難航するとの懸念も売りを誘った。
米民間有力調査会社コンファレンス・ボードが28日発表した7月の消費者景気信頼感指数(1985年=100)は92.6と、前月の98.3(改定値)から低下し、市場予想(ロイター通信調べ)の94.5も下回った。西部や南部を中心に新型コロナの感染が再び広がっていることが背景。消費者心理の悪化を示す指標を受け、素材やエネルギーなどの景気敏感株を中心に売りが出た。
4〜6月期決算で売上高と1株利益が市場予想に届かなかった工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が5%安となり、1銘柄でダウ平均を50ドルあまり押し下げた。1株利益が市場予想を大幅に下回った外食のマクドナルドも安い。原油先物相場の下落を受けて、シェブロンなど石油関連株も売られた。
米共和党指導部が27日夕、1兆ドル規模の経済対策案を発表した。失業給付の上乗せは減額する。民主党は3兆ドル規模の対策と失業給付金の上乗せ維持などを求めている。両党の溝は大きく、法案成立には時間がかかるとの見方が広がった。
共和党上院トップのマコネル院内総務は28日午後、従業員や顧客が感染しても企業の責任を問わない免責条項について「これを含まない法案は上院で可決しないことを明確にしておきたい」と述べたと伝わった。発言が民主党の反発を招いたことも、法案成立の不透明感につながった。
投資家のリスク回避姿勢が強まり、相場は引けにかけ一段安となった。前日に上昇したスマートフォンのアップルなど主力ハイテク株が下げ幅を広げ、化学のダウなど景気敏感株の一角も売られた。ダウ平均は一時223ドル安まで下げた。
セクター別では、素材・エネルギーが下落した一方、不動産、公益事業が上昇。
ナスダック総合株価指数は同134.18ポイント安の1万0402.09で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやソフトウエアのマイクロソフトなどが軒並み下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,379.28−205.49
S&P500種
3,218.44−20.97
ナスダック
10,402.092−134.175
NY金(ドル/トロイオンス)
1,944.60+13.60
NY原油(ドル/バレル)
41.10+0.06
円・ドル
105.03 - 105.05−0.59

28日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比150円安の2万2515円で引け、28日の大取終値を95円下回った。
米経済支援策の先行き警戒感が広がり日経平均先物は米株とともに売られた。
米共和党指導部は27日夕に1兆ドル規模の支援策案を発表したが、民主党が強く反発している。議会調整の難航による景気回復の遅れが意識された。
この日の9月物安値は2万2485円、高値は2万2815円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22515 ( -95 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22535 ( -75 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6129.26(+24.38)
28日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ24.38ポイント高の6129.26で引けた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて株価指数はもみ合い展開。前日終値を挟んだ水準での小動きとなった。指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄の物色が目立った。
個別銘柄では、日用品のレキットベンキーザーは1%高で終えた。同社が28日発表した2020年1〜6月期決算が増収増益だったのが好感された。通信のBTグループや電力・ガス供給のナショナル・グリッドも買われた。
半面、前日急上昇した産金大手フレスニーヨが1.4%安となるなど、資源株が利益確定売りに押された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12835.28(−3.38)
28日のドイツ株式指数(DAX)は小幅な動きだった。終値は前日と比べて3.38ポイント安の1万2835.28。世界の新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりし、景気低迷が長期化するとの懸念から売りが優勢だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4928.94(−10.68)