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NYダウ137ドル安 反落 中国景気やトルコ情勢を懸念
【市況】NYダウ137ドル安 反落 中国景気やトルコ情勢を懸念
 15日のNYダウ工業株30種平均は前日比137ドル51セント安の2万5162ドル41セントで終えた。
この日はトルコ情勢や中国の景気減速などへの懸念で、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。
中国株式市場の大幅下落を受け、世界的にリスク回避姿勢が強まった。きっかけは中国インターネットサービス大手の騰訊(テンセント)の2018年第2四半期(4〜6月)決算。13年ぶりの減益決算が嫌気され、中国市場でのハイテク株売りは米国市場にも波及した。アマゾン・ドット・コムやアルファベット、フェイスブックなども軒並み下落し、相場の下げを主導した。米中貿易摩擦の激化への懸念もあり、航空機のボーイング、航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズなどに売りが広がった。
 
原油や銅など商品相場の下落で石油や素材銘柄に売りが膨らんだ。
米国の原油在庫の増加をきっかけに米原油先物相場が大幅に下落した。このためシェブロンやエクソンモービルといった石油株が売られた。化学のデュポンなど素材株の下げも目立った。
 
平均の下げ幅は一時300ドルを超えた。だが、下値では買いも入り、取引終了にかけて下げ幅を急速に縮めた。
 
ナスダック総合株価指数も反落し、前日比96.777ポイント安の7774.118で終えた。中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)による減益決算の発表などをきっかけに米主要ネット株への投資家心理が悪化した。フェイスブックやアルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コムなどが安い。マイクロン・テクノロジーやエヌビディアといった半導体銘柄も下落した。
 
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や不動産が上昇する一方でエネルギーや小売が下落した。
 
個別では、小売のメーシーズ(M)は、決算でコスト増加が嫌気され大幅下落。原油相場の下落で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移した。
アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(STZ)は、カナダの大麻業者の株式を38億ドルで取得し、財務負担を懸念した売りが広がった。
 
一方で、半導体のエヌビディア(NVDA)とファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け上昇した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,162.41−137.51
S&P500種2,818.37−21.59
ナスダック
7,774.118−96.777
 
米10年債利回り(%)
2.8641 -0.031
米2年債利回り(%)
2.6123 -0.021
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,200.70+1.80
NY原油(ドル/バレル)64.92−2.12
円・ドル110.72 - 110.73−0.38
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。
9月物は前日比320円安の2万2000円で引け、同日の大取終値を180円下回った。世界景気の先行き警戒感が重荷になった。
中国株安やトルコの通貨急落の余波が新興国に広がるとの懸念が広がり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
この日の9月物安値は2万1845円、高値は2万2355円だった。


シカゴ日経225先物9月限 (円建て)  
22000 ( -180 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て) 
22010 ( -170 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE 7497.87 ( -113.77 )
FTSE100種総合株価指数はリスク回避気分から全面安となり、5日続落した。
前日14日の終値に比べ113.77ポイント安の7497.87と4月以来、約4カ月ぶりの安値水準で引けた。
 
小高く始まったあと、主力の資源株を中心に売り圧力が強まり、午後にかけて下げ幅を拡大した。トルコと米国の対立をめぐる警戒感がくすぶるなか、投資家がリスクを取りにくくなるとの見方からリスク資産の買いを手控える動きが続いている。中国経済の先行き不透明感も投資家心理を悪化させた。構成銘柄の9割が下落した。
 
個別銘柄では、資源株が下落率上位にずらりと名を連ねた。メキシコ産金大手フレスニーヨが7.8%安でトップ。英鉱業大手アングロ・アメリカンは6.2%安、チリ産銅大手アントファガスタとスイス資源大手グレンコアはそれぞれ5.7%安でこれに続いた。
さらに、ロシア鉄鋼大手エブラズは5.5%安、英産金大手ランドゴールド・リソーシズも5.4%安と売られ、英・豪系資源大手BHPビリトンは5.2%安、英・豪系資源大手リオ・ティントも3.3%安と軟調だった。
 
半面、上期決算を好感して保険のアドミラル・グループが3.2%高上昇した。ダイレクトライン・インシュアランス・グループも連れ高した。グラクソ・スミスクラインはエイズウイルス(HIV)関連の新薬のトライアル結果が好調と発表したことを手がかりに1.9%高と買われた。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12163.01 (-195.86)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅反落。終値は前日14日と比べて195.86ポイント安の12163.01と、4月以来の安値水準になった。
米株の下落が波及し、午後にかけて売りが加速。全面安で引けた。銅価格の大幅安を受けて鉄鋼のティッセン・クルップが安くなった。医薬・農薬大手のバイエルと半導体のインフィニオンテクノロジーズの下げも目立った。
 


■フランス・パリ株価指数
CAC40 5,305.22 (-98.19)
フランスの株価指数CAC40は、1%以上下落した。欧州の株式市場も鉄鋼株を筆頭に下落した。