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386円高と堅調、海外株高で心理改善
東京株式(前引け)=386円高と堅調、海外株高で心理改善
 

30日午前の日経平均株価は反発し、前日比386円18銭(1.76%)高の2万2381円22銭で前場を終えた。
 
前日のNYダウやナスダック総合指数が大きく切り返しに転じたことできょうの東京市場は前日と動きを一変させ、主力株をはじめ広範囲に買い戻される展開となった。外国為替市場で1ドル=107円台後半までドル高・円安が進んだことも投資家の心理改善に寄与した。
 
中国国家統計局と中国物流購入連合会が30日午前に発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回る改善を示したのも追い風だった。安川電やコマツなど、中国景気に敏感な銘柄の買いを誘った。
 
中国政府が香港への統制を強める「香港国家安全維持法」が成立したと香港メディアが伝えた。市場では「トランプ政権は中国に対する強硬姿勢を維持しそうだが、米国経済への影響を考慮して貿易合意の見直しなどには踏み込まないだろう」との声があった。香港ハンセン指数が堅調な動きとなったことも安心感につがなり、日経平均は上げ幅を450円に広げる場面があった。
 
ただ、米国をはじめ世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、先行き不透明感から買い一巡後は伸び悩んでいる。
 
市場関係者は「機関投資家の動きが鈍く、個人投資家が主体のリバウンド相場だ」と指摘。売買代金は低水準で市場エネルギーは乏しく、前場では前日の日経平均の下げ幅を取り戻すには至らなかった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9039億円、売買高は5億616万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1422と、全体の約6割強だった。値下がりは669、変わらずは77銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では海運業、鉄鋼、非鉄金属の上昇が目立った。一方、医薬品が下落した。
 
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)が堅調、ファーストリテイリングも大きく買われた。ファナック、東京エレクトロン、キーエンスなども上昇した。東京海上ホールディングスが高く、三菱商事も値を上げた。シーアールイー、E・Jホールディングスなどが大幅高となった。
 
半面、レーザーテックが利益確定売りに反落、GMOクラウドも大幅安となった。富士通も軟調。中外薬やエムスリー、太陽誘電、アステラスが下落した。丸文、アイロムグループなどが大きく値を下げ、システム情報も水準を切り下げた。
 
東証2部株価指数は前日比36.93ポイント高の6579.32ポイントと4日ぶり反発した。
出来高1億1077万株。値上がり銘柄数は258、値下がり銘柄数は132となった。
 
個別ではアサヒ衛陶がストップ高。魚喜、イムラ封筒、フマキラー、中国工業、岡野バルブ製造など9銘柄は年初来高値を更新。キャピタル・アセット・プランニング、KTC、フジマック、Oak キャピタル、セコニックが買われた。
 
 一方、GMOペパボ、ジーエルサイエンス、カーチスホールディングス、木村工機、YE DIGITALが売られた。