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弱含みもみ合い、利益確定売り
東京株式(前引け)=弱含みもみ合い、利益確定売り

日経平均株価は小幅に反落し、前引けは前日比8円86銭安の2万3294円96銭だった。
朝方はやや売り優勢で始まったものの日経平均の下値は堅く、一時はプラス圏で推移する場面もあった。
 
米中首脳による貿易協議の部分合意署名が12月に遅れる可能性があると伝わり、米中貿易協議の先行き不透明感が意識された。円相場の上昇が重荷になったほか、前日まで連日で年初来高値を更新していたため利益確定売りも出た。もっとも業績の底入れや改善が確認できた銘柄には積極的な買いも入り、日経平均の下げ幅は限られた。
 
主要企業による2019年4〜9月期の決算発表が本格化する中、個別物色が中心だった。19年7〜9月期の連結最終損益が巨額の赤字だったソフトバンクGは売りが先行したものの、個人投資家などの押し目買いで下げ渋り、投資家心理を下支えしたとの声が聞かれた。
 
 
日経平均の午前の値幅(高値と安値の差)は70円程度と、小幅な値動きだった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はそれぞれ上昇した。
 
この日は後場の取引時間中にトヨタの決算が予定されており「決算を見る前に動きづらい」こともあって、日本株全体を動かすような売り買いは出なかった。後場も決算発表などを見た個別の動きが中心となりそうだ。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1226億円、売買高は6億1702万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1244、値上がりは807、変わらずは101だった。
 
業種別株価指数(33業種)は、海運業、鉄鋼、石油・石炭製品などが下落。精密機器、鉱業。その他金融業などが上昇。
 
個別では、20年3月期の連結純利益を下方修正した三菱自が大幅安。ディーエヌエや東海カ、SUMCOが大きく下げた。任天堂、ダイキンやコナミHDも下落した。
なお、ソフトバンクグループは軟調も下げは小幅にとどまった。オリエンタルランドも軟調。日総工産は大幅安となった。
 
一方、19年4〜9月期の連結最終損益が黒字転換したオリンパスが急伸。GSユアサやDOWA、パンパシHDも大幅高だった。キーエンスも上昇した。三櫻工業が物色人気。アドバンテストも買い優勢だった。サンケン電気も値を飛ばした。大日本住友や大塚HDが上昇した。
 
東証2部株式指数は前日比9.75ポイント高の6812.59ポイントと反発した。
出来高9592万株。値上がり銘柄数は199、値下がり銘柄数は194となった。
 
個別では、高田工業所がストップ高。FRACTALEは一時ストップ高と値を飛ばした。ダイナックホールディングス、プロスペクト、情報企画、広栄化学工業、ソフト99コーポレーションなど13銘柄は年初来高値を更新。大日本コンサルタント、オーナンバ、ユーピーアール、RVH、明治機械が買われた。
 
一方、松尾電機が一時ストップ安と急落した。ワシントンホテルは年初来安値を更新。いい生活、大興電子通信、千代田化工建設、富士ソフトサービスビューロ、日本パワーファスニングが売られた。